なんで猫なのだろう。
大正5年9月発行の、学術誌「歴史地理」の質問コーナー「問答」に
猫の木版画のカットがあった。
後ろ姿。長い尻尾は、左にまげている。
「織田信長研究に要する書目を示されんことを乞ふ」という質問に、
そぐわない大きな猫のカット。
挿絵画家は、猫好きとしかおもえない。名のある人か。
大正・昭和の人文科学の学術専門誌は活字ばかり。
表紙絵やカット類はないのが相場なのに、
大正年間の一時期、「歴史地理」や京都の「歴史と地理」には、
版画のカットがはいったり、表紙を3色刷りにしたりしている。
「歴史地理」のこの号では、この謎の、猫の版画家が大活躍!
ペルシャ風の武人の版画だったり。
環頭太刀や銅鏡のデザインをとりいれた表紙。
ともに、下のようなサインが、ある。
T と N か M のイニシャルの組合せにみえる。
猫好き版画家を、特定したい。