大正時代「雀おどり」のイラスト

 画家で版画家の森田恒友が、大正時代に表紙、挿絵にかかわったと思われる学術誌「歴史地理」。前にこのことは幾度か書いているが、大正6年第2号で、興味深いカットを見つけた。
 
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 笠を被って、3人が踊っている。両腕を前に突き出したり、前屈したり、両腕、両脚を広げたり。
 
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 ちょっとコミカル。しばらく、じっと見つめていると、「すずめ踊り」に思えてきた。葛飾北斎の「北斎漫画」に、「雀踊」があるので、比較する。
 
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 似ている。やはり、雀踊りに思えてくる。
 
 北斎のほうは、笠が丸いのに対して、大正イラストは四角で6つの点がある。見たことのない特徴的な笠。
 
 江戸時代後期に流行したという「雀踊」は、奴装束を着て、笠を被り、雀の動きを真似る。名古屋・栄にういろうの老舗「雀おどり総本店」があるが、こちらも安政3年(1856)創立というから、江戸末期。
 
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 店は、雀おどりのトレードマークを使用している。江戸以来のものなのだろう。こちらの笠は、網笠。雀踊りの笠も、バラエティにとんでいるようだ。
 
 調べてみると、和歌山県の神社で、今も伝統の奉納の雀踊りが行われている。YOU TUBEで見ると、盆踊りのように輪を作って皆同じ動きをしている。北斎や大正の踊りとは違うようだ。
 
 雀踊りは、仙台、東京・墨田などで復活しているが、仙台の踊りは近年の創作。墨田は北斎のイラストを基に再現している。
 
「歴史地理」のこのカットも、森田恒友なのか。大正時代の雀躍りについても、時間をかけてゆっくり調べてみよう。