竹富島のひんぷんで思い出したこと

 沖縄の民家の入口に、魔物が入らないよう、作られた壁、「ひんぷん」のことで、思い出したことがひとつある。
 
 もう随分前の夏、竹富島出身の方の好意で、家族3人きりで、同島の民家に泊まったことがあった。
 
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 自炊生活は、それは楽しい時間だったが、その民家には、「ひんぷん」があって、なぜか穴が空いていた。
 
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 民家の親戚の人に、聞くと、こともなげに「戦争が終って、アメリカ軍が島に駐留したことがあって、面白がって機関銃で撃ったんです」といったことを覚えている。
 
 半世紀以上、修復していないということは、決して忘れないということなんだろうか、と細と、その夜話したものだ。
 
 八重山の人たちは総じて陽気で明るい。誇りもある。言葉ではなにも言わないけれど、許さんものは許さんのだと、いうことじゃないか、と僕たちは解釈した。
 
  穴を修復すべきは、壊した国の人たちだ、半世紀たとうが、謝りに行かなければ、ずっと穴は残るんだ、きっと。