ジャズベースの上の猫

イメージ 1
 
 随分前、赤坂のライブハウスで、米国のベース奏者と雑談したことがある。
 彼は、ズービン・メータが指揮者だったころのロサンゼルス響の団員だったが、ジャズ演奏の道を選び、来日して小さなライブハウスで仕事をしていた。
  気さくな黒人で、身の上話を自らはじめ、2度ディボース(離婚)したが、2度目の時、カミさんに高価な方のベースをうられてしまった、と残念そうにはなした。
 気に入りのベースだったようた。「最近、音楽雑誌でチック・コリアのコンボのベーシストの写真をみたらみたことのあるベースのネックにきづいたんだ」という。「ああ、これは、うられてしまった、オレのベースだ」と。
 音楽家が楽器にこだわるのは、当然だよなあ、とおもう。
 
 では、ネコを自分の大切な楽器にのせるだろうか、ジャズベース奏者のRED MITCHELLのアルバムをききながら、まてよ、この写真は、自分の楽器なのだろうか、と気になった。
 
イメージ 2
 
 ネコには、爪があり、ひっかく。歯があり、かむ。そして首や頬をこすりつけてくる。ネコをベースにのっけたら、大事な楽器が傷物になってしまう。
 若き日のレッド・ミッチェルは、はたして、そこまでネコ好きだったのか。このレコードは1957年3月26日ロスで録音された。撮影も春先にロスでおこなわれたのだろう。
 ジャケット写真をまじまじとみると、ベースには光沢がなく、「古道具屋」でさがした代物に、みえなくもない。
  未亡人が伝記をかいているらしいが、ネコのこともかいてあるだろうか。