シロガシラ鳶とウランバートルのガルーダ

 モンゴルのガルーダは、首都ウランバートルの市章だった。しらなかった。
 
 ガルーダは、モンゴルで信仰されるラマ教曼荼羅タンカや、仏画にでてくる。
 
イメージ 1
 執金剛の頭の上や、
 
イメージ 2
 釈迦像の頭部にえがかれたりしている。
 
 ウランバートルの象徴となるような、目だった存在ではない、とおもっていた。ガルーダは、インド神話の中でうまれた、竜蛇とたたかいつづける猛禽類をイメージした神鳥、といっていいだろう。
 ヒンドゥーの神ヴィシュヌの乗り物で、ガルーダは、炎のようにひかりかがやく姿でつたえられる。赤い翼をもつ者=ラクタバクシャという異名もあるのだそうだ。
「赤」の鳥として、モデルのワシタカがさがされ、赤茶色の翼をもつ Brahminy Kite(ブラミニィ鳶)が原型にあげられているようだ。
 haliastur indus 和名では、 シロガシラトビ(白頭鳶)という。
 赤の翼と、白の頭、胸の対照が美しい。
 ウランバートルの市章のガルーダは、こういう色をしている。
 
イメージ 4
 赤い翼と白い頭、胸。「赤い神鳥」という印象だ。モンゴルラマ教のタンカにえがかれたガルーダは、翼が青色系統なので、ウランバートル市章の赤が目だつ。
  
イメージ 3
 
 ウランバートルとは、ウラン=赤い、バートル=英雄。20世紀始め、「ソ連指導下」の社会主義化で、首都も赤い英雄という市名にかわった。社会主義崩壊後、赤い英雄の意味を、赤の神鳥、ガルーダに換骨奪胎させたのだろうか。
 
(続く)