モンゴルの鬼鐶を見て、歯の数チェック

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モンゴル・ウランバートルのガンダン寺院の門に、鬼らしき顔をした把手があったので撮影したが、果たして今も残っているのだろうか。
小杉一雄氏は「日本の文様」(社会思想社)で、「鬼鐶」と名づけている。
邪悪なものを防ぐ意味をもって、中国の戦国時代、扉や器物の把手に「獣面文」が用いられ、唐の時代に、鬼面のものも現われたという。それが「鬼鐶」。
日本の寺院でも、長崎の崇福寺山門にある、と例(下図)を挙げている。
 
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しかし、モンゴル・ガンダン寺院の鬼は、歯の数が多くないだろうか。
 ざっと、上下各20本以上もある。
 それが、愛嬌を生んでいるのだが、よく考えると、人間の歯は上下16本ずつで、32本しかない。歯を剥いた恐い顔の、不動明王も、せいぜい上下4本ずつの「前歯=切歯」しか出していない。(あとは、牙)。
 動物像には類例がある。
 韓国・慶州の古墳公園で撮影した、墓を守る獅子像。
 
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 上下で40本はある。日本の獅子頭の元祖のようなものだろう。
 江戸中頃の、長岡市獅子頭でチェックすると、歯がやはり計40本以上と多い。
 ちなみに、犬の歯は42本ある。
 但し、獅子の原形の、ライオンは、30本と人間並みだという。
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歯科医をやっている、高校時代の無二の親友に、抜けた歯の治療をして貰いながら、歯のことを色々と思い巡らした。