シロハヤブサに、やっとたどり着いた

 昼休みに国際展示場のブックフェアを覗いて、バーゲンコーナーで重い「Audubon birds」(JG press)を買って帰った。
 
 J・J Audubonの、全米の鳥のイラスト選集で、見事な鷹の画が載っている。特に美しいのが、シロハヤブサ gyrfalcon だ。
 
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 鷹狩りで15世紀、英国でKINGのみが扱えたハヤブサだ。シロハヤブサは、欧州で最高のタカの評価だった。
 
 マルコポーロ「東方見聞録」に出てくる元のフビライ汗が用いた最上の鷹はなにだったのだろうか。正確な情報が欲しくて、英語版「The  Travels  of  Marco Polo」を取り寄せた。青木富太郎訳は最上のタカを「大鷹」と訳してあるだけ。そんなタカは存在しないので、英名を知りたかったのだ。
 
 「chapter XVI」の問題の箇所。
 「(大ハーンは)一万以上の鷹匠をつれて行くが、ペルグリン鷹、セーカー鷹のほか、五百羽以上の大鷹、 河畔での狩猟用にゴスホーク鷹ももって行く」(青木訳)
 
  英訳では、こうだった。
 《attended by full ten thousand falconers, who carry with them a vast number of gerfalcons , peregrine falcons , and sakers , as well as many vultures, in order to pursue the game along the banks of river.
 
 一万人の鷹匠を同行させ、河畔で鷹狩りを行うために、多くのハゲワシ類とともに、莫大な数のシロハヤブサハヤブサ、セーカーハヤブサを運んで行った。
 
  青木訳は、一番目に揚げられているシロハヤブサが出てこない。しかし、ハゲワシの代わりに、オオタカ(ゴスホーク鷹と表記)が出てくるのは、妥当性がある。
 
 とにかく、フビライ汗が鶴を獲らせた鷹はシロハヤブサだった。これで、欧州ばかりか東洋でも、最も高貴な鷹は、シロハヤブサだったと考えられる。