隼人と満蒙ハヤブサ名と濃密な関係

 国立劇場で仕事があって、九段下から千鳥ケ淵を通って歩いて行った。
 サクラ 見事なり。 今年の花見は、これでおしまい。
 
 ハヤブサのことを、調べ続けている。気になっていることがあるからだ。日本には、ハヤブサの名を持った人たちが居た。隼人。南九州に住んでいた。奈良時代に、「薩摩の国」と呼ばれたあたり。
 
 気になるのは、薩摩の国が、その以前、「唱更国」といわれていたことだ。「国史大系本」には唱更に、「ハヤヒト」のカナがつけられている。隼人の国=唱更国という理解でいいだろう。
 
  隼人を専門に研究する中村明蔵先生は、「唱更の語が、唐制で辺境守備の兵役で、「さきもり」の意である」と言い切っている。
 
 その説、なんだか、無理がありそうだぞ、と思う。もっと素直に見てはどうか。
 僕は今まで、ハヤブサモンゴル語でションホル、ションコル と言い、満州では、ションコンと呼ばれたと言ってきた。
 本棚から取り出した「北方文物1987-3」の小論文、崔広彬「粛慎一名之我見」には、こうある。 
 
 「鷹、満語訳作宋昆」、
  鷹は「宋昆」song kun。( oの上には ヽの平仄、u の上には -の平仄)
  ションコル ションコン ソンコン 同じ仲間だ。
 
 さて、薩摩の前身で隼人の国、唱更は なんて読む? ショウコウ。  
 
 ハヤブサのことではないか! 隼人だから、ショウコウ=唱更と名づけたとしか、僕には思えない。7、8世紀の中央政府が、ハヤブサ=ションコウ と認識していたのか、隼人自身が、ハヤブサをションコウと言っていたからか。
 
  インドネシア系といわれて来た隼人の出自も、再検討した方がいい。
 
イメージ 1
roger uptonの「arab falconry」には、美しいハヤブサ科の写真が盛りだくさん。
 
 
モンゴルでのハヤブサの呼び方
 
  шoнxop=ションホル
 
日本名
モンゴル名
学名
英名
 
 
 
 
セーカーハヤブサ
йдлэг шoнxop
Falco cherrug
Saker Falcon
ラナーハヤブサ
 
Falco biamicus
Lanner Falcon
ハヤブサ
эгэл шoнxop
Falco peregrinus
Peregrine Falcon
チゴハヤブサ
шyyмaншoнxop
Falco subbuteo
Eurasian Hobby
チョウゲンボウ
нaчйн шoнxop
Falco tinnunculus
Common Kestrel
コチョウゲンボウ
xaйpгyyнa 〃
Falco columbarius
Merlin
ヒメチョウゲンボウ
3ээpд шoнxop
Falco naumanni
Lesser Kestrel
アムールアカアシチョウゲンボウ
aмap м日pнйй 〃
Falco amurensis
Amur Falcon
アカアシチョウゲンボウ
typaмtaй 〃
Falco vespertinus
Red-footed Falcon