この夏の暑さは、全身毛で覆われる動物にとって厄介だ。といっても、わが家の猫のことだが、冷房を入れないことが多いので、陽の当たらない奥の部屋で、グタっと横になって居る。
涼しい、あるいは寒冷の、山岳地帯にしか生息できないわけが、この夏分かったような気がする。こんな毛むくじゃらじゃあ、夏に汗でもかいたら、たまらない。
このヤクの毛は輸入された。徳川家康が兜につける飾りとして愛用したので、殿様たちの間で流行したという。
モンゴルに於ける、珍しいヤクの晴れ姿といっていいようだ。北方から侵攻し、中国を悩みぬかせた遊牧民「匈奴」が、どの民族かははっきりしないが、ヤクに対する好み、扱いからして、匈奴はやはりモンゴル族ではなかったと推測する。