ゾーンモドでの花摘み体験

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 モンゴルで、恥ずかしい体験をした。ウランバートルの南、ゾーンモドへ、遊びに行った夏のある日。 
全山、高山植物が咲いていることに、興奮した細が、ルンルン気分で、数本の花を摘んだのだ。押し花にしようと、日本から持ち込んでいた週刊文春に挟んでいった。だれもいない山を登って行くと、僧院があって、独りの僧が、読経していた。社会主義時代に大伽藍を破壊されたのを、復興中だったことが分かっていたので、
敬意を表しながら挨拶したちょうどその時。細が脇に抱えていた文春から、花がぼろぼろ、落ちてしまったのだった。それを見た僧は、悲しい顔をして、「花にも命があります。摘んでしまったのは仕方ないですが、これ以上、花を摘まないように」と説諭したのだった。細も僕も、顔から火の出るくらい恥ずかしかった。
 
 ラマ教の教えには、草木ばかりか、瓦礫までも命があって、ことごとく成仏するといった信仰があることを、金岡秀友先生から教わったのを思い出した。
 
 モンゴルの高山植物の豊富さと、美しさを思い出すたびに、恥ずかしさがこみ上げる。その時の押し花は、今も大事にとってある。