牛や山羊が散策していた都市

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 120万都市になったモンゴルの首都ウランバートルは、車が渋滞する街に変ってしまったが、少し前までは、ごらんのように、牛が大通りを散策する都市だった。
 
 飼い主の姿もなく、スフバートル広場の近くまで、牛や山羊の群れが自由気儘に歩いて通り過ぎた。
 
 夕べには、近隣ゲル(包)の飼い主の元に帰るのだろうが、自発的に帰るのか、牧童が連れにくるのか、よくわからなかった。
 
 モンゴルでは、ウランバートルに人口が集中し、ウランバートルの都会生活と、地方の遊牧生活の人口比がほぼ二分化されてしまった。都会と遊牧とは、全く異質の文化であること、そして収入等で大きな格差が生じていること、それらが大きな問題となっている。
 
 街を牛や山羊が歩くのは、調和の取れていた良き時代の象徴的な光景だったのだ。
 
 日本の我が家の近所でも、散歩する猫がめっきり減り、ペットの犬とカラスが目立つくらいだ。人間と動物と、自然に共生する街は、なんとも魅力的なのだが、住む人たちには、なかなか気付かない。