不思議な十二支の間違え

 来年の年賀状の束が机に置かれている。
 そろそろ準備しろという、細の催促だ。面倒だ、じつに面倒だ。
 
 イメージ 1
 
 未申酉戌亥・・・・。
 来年は酉年か。
 そうそう、古代の日本製の青銅鏡に、なぜだか、十二支の乱れた銘文があったはずだ。
  丑寅卯辰と初めの5文字はあっているが、その次、未午巳酉子申亥と、混乱している。
  比べると
    未午巳酉子申亥
 
    巳午未申酉戌亥
 
 未と巳が入れ替わり、戌が消え、2つ目の子が酉と申の間に割り込んでいる。考古学者は、漢字が理解できなかった日本人が真似たから、こんな出鱈目な銘文となった、といって済ませてきた。
 そう言い切っていいのだろうか、と稲生典太郎氏は、「仿製鏡の擬銘帯と擬文字」(江上波夫教授古稀記念論集、1976年)で、擬銘文の史料の集積と、分析の必要性を提言している。
 その後、擬銘文、擬文字の研究がどう進んでいるのか知らない。でも、面白い指摘だと思う。
 
 この鏡、方格規矩四神鏡は4世紀後半に奈良県馬見丘陵に作られた前方後方墳「新山古墳」から、34面の鏡のひとつとして出土した。この古墳からは、玉杖の一部とされる碧玉が出土し「4世紀後半の王者」の奥津城と考えられる。王者の副葬品だと考えると、興味深い。
 
 乱れた十二支を、あえて呪文とみて、「暗号解読」できないものか。