コービン党首の名無し猫

 英国労働党の党首コービン氏がいったいどういう人物なのかはわからない。
 
 ただ、彼の飼っている猫は、うちの猫と似ている。
 
 白地に黒が混じった平凡な猫なのだが、WEBでコービン家の猫を見た細も「あれ、そっくり」と声を上げた。
 
 きっかけは英国のテレグラフのWEB版。「ジェレミー・コービンは猫に名をつけようとしない、ただ、『猫』と呼ぶだけだ」という妙な記事があった。
 
 
 コービン氏は猫に名前をつけず、朝になると「ヴエノス ディアス エル ガトー」(おはよう、ねこ)と愛猫にスペイン語であいさつする。呼べば、自分のことが呼ばれていると声色でわかるので、名前はつける必要がないという。
 
 夏目漱石の猫のような、名無しの飼猫が英国にいるのだった。
 
 しかし、不思議な気がする。猫も社会的な存在になるときがある。動物病院に猫の診察、治療に行ったときだ。申込書やカルテに、猫の名前欄がある。実は我が家の猫も、息子が貰って来た時の名前が気に入らなかったので、しばらくは名なしだった。
 
 動物病院で、必要に迫られて咄嗟に決定したのだった。元の名でいいか、迷った末に、細がときどき呼んでいた「にゃんころりん」でいいかと、「にゃんころりん」が正式な名前になったのだ。
 
 漱石の時代(「猫」は、1905年発表)には犬猫病院はなかったのだろう。日本初の犬の専門病院は昭和4年(1929年)ごろ。猫を治療する病院は、ずっと後らしい。飼猫を名無し猫で通せたのは、こんな事情もあるのだろう。(漱石家では一度お手伝いさんが猫を病院には連れて行ったことがあったらしい)
 
 コービン党首も、猫を動物病院に連れて行く時に、態度が迫られるのではないか。
 多分、「EL GATO」が正式な名前になるのだろう。
 
 伝えられるように、ちょっと変わった政治家のようだ。
 
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サザンオールスターズのLPジャケットの猫も似ている