鬼門の謎とモンゴルの方位感覚

 モンゴルの方位感覚は、
 南面して
 左が東
 右が西。
 
 右=西が、正の方向
 左=東が、副、あるいは邪の方向、になる、とかいてきたが、
 
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「回想のモンゴル」をよみかえしたら、梅棹忠夫氏が、すごいことをいっていた。
「モンゴルの方位についてのべておく。南にむかって両手をひろげてたち、そのまま四十五度左に回転する。これがモンゴルの基本方位となる。『まえ』が『南』であり、『うしろ』が『北』である。『左』が『東』であり、『右』が『西』である」ほんとうの方位から四五度ふれている」。
 
 モンゴルの南は、実際は南東に当り、北は北西、西は南西、東は北東なのだというのだ。
 内モンゴルの現地調査の実体験から気づいたのだろう。
 
「シリンゴル盟の各旗の境界線は、地図上ではみんな西北から東南に並行してはしっている」。都市設計で、南北線が、45度かたむいているのだ。たしかに、内モンゴルの市街の道路は、現在も南北でなく、西北から東南の方にはしっている。
 
 ところで、鬼門というのが日本にある。北東。丑寅の方角だ。平安時代にはじまったとされるが、はっきりしない。
 
  梅棹さんのいうように、南に向って手をひろげ、45度左に回転するとモンゴルでいう悪い方向、左手=東は、実際には、北東つまり、丑寅の方向に移る。そう、モンゴルで邪の方向は、鬼門とかさなる。
 
  謎の多い、鬼門の起源は、あるいは、モンゴルと関連があるのかもしれない。