メキシコのヘビをくうワシについて、気になることがある。
ヘビをくう美しいタカがメキシコにも生息していることだ。SWALLOW-TAILED HAWK (KITE)
燕の尾の形をしたタカ。日本名は「ツバメトビ」という。
オーデュボンの「アメリカの鳥類」にも、とうぜん紹介されている。ところが、オーデュボンは、ヘビをつかまえる姿をえがいているのだ。
ツバメトビは、小さな爬虫類、両生類などを主食として、小さなヘビや、水生のヘビをとる。「SNAKE HAWK」の俗称もあるのだという。メキシコ国章でヘビをくわえるワシはこれか、と早合点しそうになるが、国章のワシと、ツバメトビでは色も姿もまるでちがっている。
とびかたも、ワシが勇壮であるならば、ツバメトビはひたすらうつくしくとぶ、といわれている。
こうなると、メキシコ国章が図案化される過程で、ツバメトビが混入したともいいがたい。