神社仏閣に強い関心を持ち出したスチュワートさん。最近神田明神に行ってきた。
よく見ると、神田明神の三巴はよくある巴紋と違う。頭の部分が細いのだ。「流三巴」というらしい。同じように頭の小さい巴紋に、「なめくじ巴紋」という名称があるので、なめくじだと説明され、スチュワートさんも、それで納得したようだ。
巴紋には各種あり、巴の数も、1つ巴、2つ巴、3つ巴と3種ある。はて、そもそもは、なんだったのだろう。
僕は形から勾玉かと思っていたので、「なめくじ」でなくて、「魂」ではないか、と伝えたが、後で調べると渦巻きを模様化したという説もあるのだった。
三つ巴に関して言うと、敦煌の莫高窟の天井を飾る「3羽のウサギ」が気になっている。円の中に、3羽のウサギが描かれているもので、耳をお互いにひとつずつ共有しているので、耳は3つしかない。目のトリックが仕掛けられている。
始めて描かれたとされる中央アジアの隋代の6世紀のウサギの模様は、欧州にも拡散、現在でも、「three hares」として英国の教会、欧州のシナゴーグなど、宗教の聖なるシンボルに使われている。西に広がった興味深いウサギのデザインは、東には広まらず、日本ではこのデザインを見かけない。
それは、トリックこそないが、3匹のウサギに代わる三つ巴紋がすでにあったからだろう。ウサギの頭と片方の耳は、巴の形と似てなくはない。
僕の説明に、スチュワートさんは、頭が混乱しているようだった。