虎は頭を3度たたかれる

 虎の枕をしらべていたら、少し似ている虎形の楽器にぶつかった。
 
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 敔(ぎょ)という。
 
 孔子廟雅楽やら、中国や朝鮮で、儒教の儀式音楽に用いられる。伏した虎で、その背中に、ギザギザの刻みがついている。演奏の終わりの合図に、この虎が使用される。奏者は、上図のような、棒で3度、虎の頭をたたき、背中を3度擦って鳴らす。
 
 YOU TUBEでも、見られる。現代でも孔子廟の祭りで大事な役割を担っているようだ。
 
 日本では、この楽器は使用されず、わずかに、江戸時代に朝鮮通信使が伝えたものが、日光・輪王寺に残されている。
 

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 頭をたたくのは、虎よ起きよ、という刺激なのだろうが、いささか虎が可哀想だ。
 
 イラストは、D・マイダル「モンゴルの歴史と文化」(1981年、モスクワ)から。モンゴルでも用いられた