想い出したロンドンの猫のこと

   June is the cruellest month.
 
 僕にとっては、4月でなく、6月が、一番残酷な月。
 この月、母と兄と、義母と、友人を亡くしている。
 
 ロンドン住まいだったこの友人は、ひと夏、長男を呼んで面倒をみてくれた。
 
 クライストチャーチへは、迎えにいった僕と子供を彼が車ではこんでくれたのだった。
 
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 ロンドン・イーリングの彼の家の近くには、猫が多く、
 
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ひとなつこくて、スリスリしてくるので、路上にしゃがんで、親子で、かわいがっていると、
 
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近所の英国婦人がニコニコしてやってきて、僕らに親しげに話しかけ、離れないのだった。猫の話ばかり。猫は妊娠していた。
 
 彼女に、この猫の飼主なんですね、ときくと、「ノー」と意外な答え。いっしょに猫を、なでたかっただけなのだった。
 英国猫はしあわせだな、とおもう。