凧が、蛸だったり烏賊だったりするのはヘン

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 連休で、長男が帰ってきたので、一緒に猫をどうぶつ病院まで、検査につれてゆく。待合室では、ミャアミャアと大声でなきまくって、少女に「ウチの猫とちがって、どうしてこんなに元気になくの」となでまわされ、診察室では前回についでウンチをし、「たくさん出ましたねえ」と獣医の手をわずらわせてしまったが、やはり、わが老猫は、寄る年波で腎臓の数値がさらに悪くなっていることが判明。血流をよくする薬の服用と、食餌療法の開始をすすめられ、同意した。
  
 療法食の無料サンプルをたくさんもたされる。「正直、味が淡白で、おいしくないようです。でも、好き嫌いがあるので、猫ちゃんが、どれが、気に入ってたべるか、様子をみてください」という。
 
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 暑さで思考停止状態が続く。
 
 半七捕物帳の、岡本綺堂の「綺堂むかし語り」をパラパラめくっていたら、鳶の話が出ていた。
 昭和10年、日本橋蛎殻町の商家の物干し場に大きな鳶が舞い降りたので店員が大勢で捕獲して警察署に届けたという。新聞には写真まで掲載された。岡本は驚いたようだ。
  鳶なんぞは雀、カラスのたぐいの都会でも平凡な鳥だったのではないかと。
 明治30年代、少年時代の岡本は、麹町の英国大使館の旗ざおに大鳶がとまったのを英国人が珍しがり喜んだのを不思議に思ったという。大都会ロンドンでは鳶が珍しいのかと。
 それから3ー40年たって、東京もロンドンと同じようなことになってしまった、と感慨を抱いたのだった。
 
 岡本綺堂は面白い発見をしている。「子供の飛ばす凧は鳶から思い付いたもので、日本でもトンビ凧といい、漢字では紙鳶と書く。英語でも凧をカイトという。すなわち鳶と同じことである」
 
 英語では 凧=kite=鳶 
 日本でも 凧=紙鳶(紙の鳶)
 凧は鳶のようなもの、というわけだ。
 モンゴル語では、凧揚げはヘレムチ。リスを狩るもの=猛禽の意味がある。同類だ。
 中国では、「風鷹」(徳広弥十郎編「日蒙漢辞典」)、あるいは、凧が空中で音を出すため「風筝」とされる。
 
 日本では「いかのぼり」のイカにタコと、海生の軟体動物が凧の名になっていて特異である。これは、江戸時代に面白がってつけられた名で、そもそも、タコはタカでなかったか、と、仮説をたててみる。