
ドライブに出かけた。息が詰まる日々が続いて限界に来ていたので、北武蔵の空と木々をボンヤリ眺めて過ごした。

天から神が降りてきそうな、依代のような杉が寺の参道に立っていた。

エノキの古木にも出くわした。瘤があって、太い幹の下から秋の空を眺めた。エノキの特徴は、枝が曲がって入り組んでいる処らしい。
地位の高い僧侶が「エノキの僧正」と呼ばれるのを嫌がってエノキを切り倒したら、切り株が残ったので、「きりくいの僧正」(切り株の僧正)といわれ、それにも腹を立て株を引き抜いたら、堀が出来、水が溜まったので「堀池の僧正」と云われた、という「徒然草」の45段を思い出した。
なぜ、エノキの僧正といわれるのを嫌がったのか。へその曲がった僧正は、同じように枝の曲がったエノキが気に入らなかったのか。例えば、銀杏なら、銀杏の僧正と呼ばれても反応しなかったのか、と漠然と思った。銀杏は鎌倉時代には、すでに日本に入っていた。

古代の赤い鉢巻について書いてきたが、はて、赤く染めたのは、どの染料だったのか。
1 茜草
2 紅花
3 蘇芳
4 ベンガラ
5 その他

いち早く紅葉した、ハゼの木を見つけて、赤について、また考えることにした。