橋の上から、潮の引いた運河をのぞいてみると、サギが餌をさがしていた。
大きさである程度は想像できても、確信がない。やはり、先達の教えは、ありがたい。
「ダイサギとチュウサギの足は黒く、コサギも黒いが足指は黄色いので識別できる」(小宮輝之「鳥あそび」=二見書房、2010年)という、動物園長さんの易しい解説で、コサギと判明した。
まぎれもなく黄色い足指。
「コサギが浅瀬で、足を水にかきまわして魚を追いだしている様は、粋な黄色い地下足袋を履いた魚とりの漁師さんのようである」と上掲書。ああ、其処までは観察がゆきとどかない。
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モンゴルでは、コサギは、「仔羊サギ」とよんでいる。ホルガン(仔羊)デグリー(サギ)。仔羊は遊牧民にとって家族のように大事にされているから、コサギに対する温かい視線をかんじる。
ダイサギは、「雪のようなサギ」。ツァスチ デグリー。雪はツァス=ЦAC。ツァスチ=ЦACЧには、雪の人、の意味合いがあるから、「雪の化身のサギ」、のニュアンスをよみとりたくなる。
サギのデグリーは、毛むくじゃら、という言葉デグリーハと関連しているし、ダイサギの美しい、レース状の白い毛は、雪の化身を幻想してもおかしくはない。