モンゴルのテレルジだったと思う。
夕方、鹿が人家の近くに下りて来て、土を口に入れていた。
「鹿は土を食うのですかぁ」
近くにいたモンゴルの年配男性に、聞くと、
「鹿は、土を食べて、塩分を取っているんです。夕方になると、群で下りて来るんです」
と教えてくれた。
塩分補給とあらば、人の居住地近くまで来るほど、塩は大切なのだ。
モンゴルの塩は、味わった印象がなかったが、
いまや、岩塩がモンゴルの名産になって、WEBでも販売している。
標高1000m以上のモンゴル高原は、大昔海だったので、
立派な岩塩鉱床があって、採取している。いい塩特有の、甘みがあるらしい。
鹿の食べていた塩も甘みがあるのだろうか、
土ごとだから、美味いはずはないか。