鷹と鷹犬が、仲よく育てられているのが分かるし、ご主人様はタカなのだと、鷹犬は仕込まれていることも、よく伺わせる。
サルーキは欧州へ、十字軍遠征によって運び込まれ、今では家庭でも飼われ、日本にも輸入されている。グレーハウンドの仲間という。
「吾欲与若復牽黄犬 倶出上蔡東門逐狡兎、豈可得平」
《もう一度、お前(ともに処刑される次男)と、黄犬をひいて、上蔡の東門を出て、兎狩りをしてみたかったが、かなわぬこととなった。》
これだけだと黄犬は猟犬だが、「太平御覧」(宋代初期 977-983頃の書)は、これを
サルーキのように四肢の長い、速脚のハウンド系だったのだろうか。 秦のころ、ハウンド系のイヌが中国に居た証拠は見つからない。藤島志麻さんの「中国古代のイヌの品種改良」によると、唐代になって、いままで見られない形態のイヌが出現し、「サルーキに似た大型犬」が、陜西省の懿徳太子=李重潤の墓に描かれているという。
確かに、サルーキに似ている。黄犬探しを、さらに進めてみたい。
(続く)