主人は、ウイグル人。
3.11の大地震の後、店に行くと、中国人の従業員がみな瀋陽行きの飛行機で帰国してしまい、とても心細いと、話していた。あの時、日本を脱出する中国人が成田に押し寄せて、航空運賃は3倍に跳ね上がっていた。残った主人は、自慢の故郷カシュガルには、当分帰らない、といった。
1年経ち、今は、落ち着きを取り戻し、主人と余り話すこともなく、われわれは、ウイグル料理を平らげる。
文革時代に下放で内モンゴル(最近は南モンゴルという)を択んで生活した張承志「モンゴル大草原遊牧誌」を大分前に読んだ。当時、モンゴル人の遊牧生活を生々しく伝える本が少なく、この著書が、その手のさきがけとなったのだと記憶する。とてもいい本だ。
ウイグルのこと、回族のことが、新聞紙面に掲載され出している。中国内の、ウイグル人が大変困っているらしい。インドの独立の時、日本に亡命したボースを助けた、パン屋の中村屋。たびたび日本に亡命した孫文に、資金援助した梅屋庄吉。