辰年は、龍と遊ぼう

 師走も大分過ぎて、年賀状を作れと、家人は五月蝿い。
  2012年は、辰年かあ。
  十二支に龍という架空の動物が混じるのはおかしくないか。
  龍が実在すると思って、十二支を拵えたのだろうか。
  龍は恐ろしい動物だが、新年が明るい年になるといいので、年賀状作りの参考になる優しい龍、明るい龍をさがす。
 
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大英博物館で購入した、noran m. titley 「DRAGONS」を、本棚から探す。これは、どうだろう。
 
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 インド・ムガール帝国時代の龍のイラストだという。
  主人公のダーラブが親切な龍から助けを得る話で、「人なつっこい猫のように、龍の背中が丸くなっている」と解説してある。
  1580年ごろの絵。「猫龍」とでも命名しようか。
 
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 マンガには、龍を友達のように描く作家がいる。坂田靖子さん。「ダンジョンズ&ドラゴンズ」には、卓上用ライターと間違えられる「銀龍」が登場する。
  主人公アリスが手にしているのが、銀龍。激しい火を吹く。
  男のダンジョンズが、龍をコレクションしている。
 
  沖縄の代表的な龍は、大綱引きの綱。龍で遊んじゃってるのは、楽しい事だ。
  沖縄・先島から奄美、九州西海沿いを天草、五島まで、共通の龍の民俗行事が残っている。
  旧8月15夜に、綱引きをして、その綱の龍を持って村落を周り、海に帰す。
  民俗学者の小野重朗さんは、この一連の綱引き行事を、「ナーガという竜神を送迎するという東南アジアあたりからの海上の道を南から北へたどった文化と考えるほかあるまいと思う」と「神々の原郷」(法政大学出版局)で書いている。
 
 沖縄・那覇大綱引きの、綱は下のページで見てみると、径1メートル56センチ。
  龍の胴体にふさわしい。
 
  中国の龍の物語は、義務を怠った龍が、天帝に懲らしめられて、獅子の像に変えられたり、病気の龍が、仙人に相談にきて、お礼に龍の玉を残していって、仙人が財をなした話など、人間臭い龍が出てくる。
 中国人の理想は「福禄寿」。龍の話も、それに沿って、天帝、人間のトゥールとして登場するように見える。
 
  
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 モンゴルの龍は・・・・・・。いけない、年賀状をすっかり忘れている。