優先席でのカン違い

 帰宅の電車で、疲れていたので、優先席に坐ってウトウトしていたら、目の前に女性が立っていて、どう見ても、お腹が出ているように思えたので、慌てて、どうぞ、と席を譲ったら、どうして私が、という驚いた表情で、結構です、と言われてしまった。
 
 妊娠中でなく、単にお腹が出ていたらしい。
 下車まで、ちょいと気まずい時間。
 
 
 妊婦さんの判断は男どもには難しい。優先席に坐るのは、当分やめよう。
 
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 沖縄生まれの山之口獏さんに、戦時中の詩「曲り角」がある。その後半部分ー。
 
 あるとき
 僕はながめていた
 桜の木のある曲がり角から
 おおきなおなかが現われた
 むろんそれは一目みて
 産めよ殖やせよの見事な国策とわかったが
 女房の姿とわかったのは
 しばらく経ってからのことみたいで
 おなかに遅れてかなしそうに
 息を喘いで現われて来た
 その眼
 その鼻
 見てわかった
  
 
  山之口獏の年譜を見ると、昭和16年に長男、昭和19年に長女が誕生している。 長男は翌17年に、亡くしている。 詩は、長女が誕生するときのものだろうか。