猫の話から、馬さしの話へ

 出張の合間を縫って、宮城県美術館を訪れた。
 まさか、猫好きにたまらない、長谷川潾二郎(りんじろう)の猫(1966年)が展示されていたとは。
 
 
 
 猫の漫画は、ますむらひろしのヒデヨシ一本槍で来たが、(はしよりこの「きょうの猫村さん」の家政婦ネコにも好感を持っている今日この頃である) 
 
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 猫の絵の方は、熊谷守一、長谷川潾二郎のものが一番好きだ。長谷川の「猫と毛糸」の白黒猫もかわいい。
 
 さて、仙台では鯨の尾の身の刺身を食べた。赤味が強い霜降りの刺身で、見た目、中トロみたいだったが、近海もののイワシ鯨かなんかなのだろう。食べながら、ハッと閃いた。
  ずっと気になっている、なんで日本人は馬の肉を食べるのか、という疑問だ。モンゴル、朝鮮半島、あの中国でも、馬は食べない。食べるのは、フランス文化圏と日本という謎だ。
  古代から牧のあった熊本、甲斐、信濃では、昔から馬肉を食べていたようだ。閃いたのは、鯨の刺身同様、馬の食べ方は馬さし。刺身じゃないか、という当たり前のことだった。
 
 家畜の食べ方ではない。魚の調理法だ。恐らく、古代に馬を食べ出したのは、海人だったのだ。馬を運んできた騎馬系の人びとは、南九州で船の文化(漁撈、海洋航海、交易)にたけた人びとと出会って、混淆した。
 
 騎馬、遊牧民族に馬の肉を食べる習慣がなかったが、日本では、魚、鯨のように、食べ出したー。
  それは、日本で、馬の文化を担ったのは、海洋文化、「海幸山幸」のうちの「海幸」だったから、という証拠でもある。
 
 
(続く)