夫婦役の田中好子のしゃべりは、と聞くと、「沖縄の人が話しているようだった」とも言っていた。
沖縄で非売品として制作されたもので、主人公・啓泰の東山紀之、尚寧王の沢田研二らのしゃべりを沖縄の人による沖縄方言に、吹き替えている。ヤマトンチューの僕には、とても、分からない方言で、ストーリーを追うのも苦労したのだが、面白い事には、いかにも沖縄を舞台にしたリアリティのある作品に生まれ変わっていることだった。実際に、尚寧王が話したのは、現代の標準語であるはずはなく、こんな感じだったのだろうな、と想像したりした。
現代風の沖縄のしゃべりかたは、最後に、やたら、サーを付けるのが、相場になっているが、面白いもので、俳優もよほど、訓練しないと、ちっとも沖縄の人に見えないのだ。
そういう意味では、亡くなった田中好子は、大した女優だったのだと、思う。