沖縄が生んだウルトラマン

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 書庫を整理していたら、「新ウルトラマン」の台本が出て来た。
 「新ウルトラマン」は、1989年に豪州で撮影した外国人が主人公のシリーズで、結局「ウルトラマングレート」のタイトルで、ビデオ発売された。
 
 この台本は発売前に、円谷皐さんから、貰ったものだ。ウルトラマンの海外進出を狙ったものだった。
 円谷さんは、「外国で、ウルトラマンって何か、理解されにくい」と語っていた。
 「なぜ、地球を救いに宇宙から、わざわざウルトラマンが助けに来るのか」
 「ウルトラマンは神なのか」
 質問されたそうだ。
 
 その後、「ウルトラマンを作った男」ー沖縄生まれの、脚本家・金城哲夫さんのことを、NHKが放送していて、確か、金城さんの子供時代の体験から、ウルトラマンが生まれたと紹介されていて、吃驚したのを覚えている。
 戦争体験をした金城さんが、敵だと思った体の大きな米兵に、抱かれて介抱された潜在意識が、ウルトラマンに繋がっているというものだった。
 
 ウルトラマンに夢中になって僕は育ち、息子もまた夢中になって育った。
 
 詩人の山之口貘さんの詩ばかりでなく、ウルトラマンもまた、沖縄が生んだ素晴らしいキャラクターであって、一筋縄で理解できない誕生秘話がありそうだ。