蛙と富士の取り合わせ


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  今年の正月、細が玄関の棚に活けた花に、我がヒキノカサ(蛙の傘)の小鉢も添えられていた。(来客が少なかったせいか、誰にも注目されなかったが)。

 

 玄関正面には、正月らしく富士山のリトグラフ

 

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 富士山と蛙。この取り合わせは、

富士山と蛙の詩人、草野心平(1903-1988)を思い起こさせた。

 

 富士山でいえば、太平洋から眺めたと思しき詩の一節。

 

 「人間も見えない

 島も

 樹木も

 でべそのような五センチの富士」

 

 蛙の詩なら

「おれも眠ろう」の

 

るるり。

  りりり。

るるり。

  りりり。

るるり。

  りりり。

るるり。

るるり。

  りりり。

るるり。

るるり。

るるり。

 りりり。

 

は、そらで覚えている。

 

 もう一度、読み返してみたくなる。

 

 「簡素」という詩もあったっけ。

 

簡素とは

家も食べ物も着る物も簡単なことであります

塵を含まず

何時も開き放たれ

富や世などに引かるる人を

笑ひもせず

また

怒りもしないことであります

 

 

 年取った自分には、すとんと腑に落ちる詩である。