寒い日は、紫のセーターを着て散歩に出る。
茶や紺や青縞などのセーターに比べて断然あたたかい。ちょっと歩いただけで汗をかくことがある。
散歩から帰って、ベッドカバーの上に脱いだままにしていたところ、猫がセーターに潜り込んでいた。
英会話の先生をしてくれていたスチュワートさんが、英国に帰国して、スコットランドのゴルフコース、セントアンドルーズで、父親とゴルフをした時、クラブで土産に買ってきてくれたセーターだ。
全英オープンのリンクスの代表的なコースだから、観光客も多い。ティーグラウンドでは見つめられて、腕が震えて、溝(バンカーでなく、溝があるらしい)に打ち込んだと体験を語っていた。
セントアンドルーズのブランドには、ビールもある、といってJRのエキナカで見つけて買ってきたというビールを一緒に飲んだこともあった。
彼とは、ずっと連絡がとれないままだ。セーターを着るたびに思い出す。うちの猫も、気に入っているよ、と伝えたいがままならない。