友人ら3人で、淡路町で飲んだ。別れ際「家どこだっけ」と聞くと、「桜新町、サザエさんの町です」と永田町に勤める一人が言った。
「桜新町だったのか。サザエさんの町は、桜新町ばかりでなくて、博多にもあるのを知っているかな」と聞くと、「ほんとなんですか」と半信半疑。桜新町の地元で暮らす人たちにも、知られていないらしい。かくいう私も今年知ったのだが。
6月下旬、仕事を終え、博多・天神を歩いていると、18番山笠新天町に、「サザエさん」の山笠が飾られていた。
謎が解けた。佐賀県生まれの長谷川町子は、一家で福岡に移住して少女時代を過ごした。本人は上京して漫画を学んだが、空襲が激しくなり、福岡・西新の実家に戻った。敗戦後も福岡で過ごし、昭和21年、福岡市で創刊された夕刊紙「フクニチ」から連載漫画の依頼が舞い込んだ。それが「サザエさん」なのだった。
はて、この猫は、博多の猫か桜新町の猫か。