椿の蜜を吸いにくるメジロをカオドリと推定してみる

 毎朝、鳥がやって来る。
 椿の花の蜜をすいに、メジロ
 ペチュニアの葉を食べに、ヒヨドリ
 
 細は、「メジロと目があった。あわてて逃げていった」という。
 このところ、僕は、道でよく、セグロセキレイにであう。舗装道路で、尾を上下に振っている。コンビニの前にいて、交通量の多い道路まで、跳ねて出てくることもある。人間や車に警戒心が少なく、よほど人が好きなのか、と思っていた。
 
 よくよく考えると、食性のせいだった。花の蜜や、葉を食べる鳥と違って、雑食なのだった。虫も食べます、パン屑もたべます、ということらしい。コンビニの付近にいる理由がわかった。
 
+++++++++++++++++++++++++
 
イメージ 1
 
 セキレイは、イザナキ・イザナミの国生み神話に登場するので、古くから認知されていたが、メジロヒヨドリは、どうだったのだろう。記紀神話万葉集風土記に記述は、見かけない。
 
 ウグイスに似て、ウグイス以上に人の近くまでやってくるメジロの記載がないのは、なんとも不思議と思っている。
 
 カッコウ説が有力な「カホドリ(貌鳥)」にメジロ説を押し込むことはできまいか。
 
 容鳥(かおどり)の間無くしば鳴く春の野の草根の繁き恋もするかも 
                        (万葉集巻10 1898)
 
など、万葉集で歌われているカホドリ(貌鳥、容鳥)の生態は
 
1 春に鳴く鳥で、桜の咲き盛る頃、盛んに鳴き、花の散った後も鳴き続ける
2 山の森の中で鳴く
3 野辺でも鳴く
4 (歌の解釈次第だが)水辺にも来て、鳴く
5 せわしく連続して鳴き続ける
6 朝早く盛んに鳴き立てる
7 昼夜共に鳴く
8 人里附近に来て人を恐れずに囀る
9 カホドリと名付けるについての何らかの根拠がある
 
と、「続万葉動物考」で東光治氏は条件をあげている。
 
 過去、アヲバト、カハガラス、カラス、カハセミ、キジ、トラツグミ、ヒバリ、フクロウ、ミミヅク、ヨタカ、ヲシドリと、10種以上が候補にあがったが、東氏は、カッコウ説を提唱している。カホドリの名は、カッコウの鳴き声「カホ」「カホウ」からの由来としているとの考えだ。
 
 メジロを9条件に照らし合わせると、鳴き声は、文句ないし、カホドリと言われるわけも、目の周りの白いリングが理由と考えればいい。メジロは、似た姿のウグイスと混同され、メジロもまた、ウグイスと呼ばれていたというのだろうか。
 
 メジロは、古来から声のいい、目立つ顔の「カホドリ」として、万葉人は認知していたのではないだろうか。毎朝、やってくるメジロから、ふと、想像した。