マガモの追悼で半旗を掲げた教会

 モンゴルニュースのWEB版が役立つのは、外電の選択が面白いこともある。動物がらみも多い。5月末には、英国南西部サマセット州の田舎町のカモの話題が掲載されていた。
 
 水車のある村の池で25年間暮らし、村人に愛されたマガモの雄「デスモンド ドレイク」がキツネに襲われて死んでしまった。悲しんだ村人は、パブでカモの通夜を開き、教会で半旗を掲げて追悼したというものだった。
 
 動物愛護の国民といっても、ここまでやるか、と思って英国のWEBを探してみた。「Blackmore Vale Magazine」や「Bristol post」紙など地方のメディアが第一報を流したようだった。
 
 サマセット州は、グラストンベリーのロックフェスで知られ観光、農業が主たる産業だという。そんな田舎町の出来事だった。このマガモは、四半世紀にわたり、池のボスで知られていた。メスガモにちょっかいを出すオスガモがいれば追い払い、メスの前ではいきがって恰好をつけてみせた。小さなバンを驚かし飛び上がらせるいたずら者でもあり、村人の与えるパン、ケーキの残りものを好んで食べ、懐いていた。
 村に溶け込み、なくてはならない存在になったようだ。突然の死を嘆く池の所有者は、「デスモンドは村のICONだった」と悲しんだ。村人はパブで追悼集会を開き、教会も弔意を示した。
 
  25歳のカモ。一般にカモはどのくらいの寿命なのだろう。
 
 カモの仲間でも、マガモが長生きで知られ、15ー20年程度だそうだ。デスモンドはそれをはるかに上回る長寿ガモであり、キツネに襲われなければもっと記録を伸ばせたのに、とおしまれる。
  池の所有者はデスモンドに「代わるものはいない」といっているが、冬になればマガモは飛来、デスモンド二世が育っていくことだろう。
 
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    英国で愛されているカモ。19世紀の本(「CHINA」)から