勇敢メス猫と「風とともに去りぬ」

 飼い主の少年を守るため、犬を撃退した米国の雌猫TARAの話題で、我が家もひとしきり。
 うちの猫と比較して、「無理だろうなあ」と猫の顔をみつめると、しってか、「ニャア」とうなづくようになく。
 
 TARAという名なので、どうしても映画「風とともに去りぬ」のラストシーンを思いだしてしまう。米南部ジョージア州の大規模農園「TARA」で育ったアイルランド系移民の娘(ヴィヴィアン・リー)は、南北戦争で大敗し、荒れはてた南部で、南部移民の復活を誓って「タラ!」と力強い叫び声をあげる。
 
 タラは、アイルランドの聖地の丘の名であり、アイルランドの象徴でもあるらしい。ヴィヴィアン・リーのおかげで、タラというと、強いアイリッシュ女性が浮かんでしまう。実際タラは、アイルランド女性に多い名前という。
 
 今回の飼い主はひょっとしてアイルランド系で、今回の勇敢猫は、知らず知らず、タラの精神を受け継いでいたのではないか、と想像する。
 
 ならば、わが猫をタラに改名してはどうか。
「だめだめ、うちのはオスだから」
 
  さて、近所の酒店でバーボン「OLD CROW」をみつけて飲んでいる。ただ単に、カラスのラベルにひかれて買ったのだが、なかなかだ。ケンタッキーに移民したスコットランドのCROWさんが南部でこしらえたウイスキー
 南北戦争の時、北軍兵士たちが「南部からくるもので唯一いい物」と愛飲し、OLD CROWの生産だけは南部でつづけられるようにと、リンカーン大統領にうったえたという。
 
 おかげで大麦が確保され、生産は続けられた。南北戦争時もとぎれなかった南北架け橋の象徴のバーボンらしい。
 
 たしかにカラスが大麦をつかんでいる絵だ。
 
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 猫のTARAといい、カラスのバーボン、OLD CROWといい、南北戦争も決して、遠い日の出来事ではないようなのだ。