ルリスタン・ブロンズというものだった

 もう一度、訪ねてみたい処はたくさんあるが、いちばんはペルシャの古都イスファハンだ。シャー・アーバス・ホテルの近くの古物商で土産に買ったブロンズの山羊のお守りが、遠い思い出のよすがになっている。
 
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  土が付いたままで、さも、発掘したもののように、店に置いてあったが、古いもののように見せて作った紛い物かもしれない。高さ5センチほどの、野生の山羊を象ったものだ。
 
 これが、なんなのか、調べもせずに、書棚の本の前に置いたまま、過ごしてきた。ルリスタン・ブロンズといって、ペルシャ西部のザグロス山脈のあるルリスタン地方で発掘される紀元前900年―600年頃の青銅製品であることが判った。
  ルリスタン・ブロンズの動物は、小さなものでも、曲線の表現など、躍動感があって、素晴らしい。
  わが野生山羊は佇むだけの、動きのないものなので、ルリスタン・ブロンズを写した紛いものと覚悟している。
  それでもペルシャで作られたものには違いなく、大きな角、鼻先の架空の角、大きな目、短く立った尾と、この野生山羊は大事な宝物だ。
 
 ヒラリー・クリントンが卒業した米マサチューセッツ州の女子大ウェルズリー大のデイビスミュージアムにルリスタン・ブロンズがあって、これに似たものがある。
 
 わが猫が水飲みに使っているのは、テヘランで買った土産物の陶器皿。
 
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 割れたが、接着剤でつけた。紺と銀茶で女神(アナヒーターかな)が描かれている。猫を愛するくにのものだから、ちょうどよい。