ネコは、水が嫌いで、季節の変わり目の「お風呂」でも、大さわぎとなる。
温泉すきの猿、サーフィン犬がいるのに、ネコはカラキシ、水が駄目である。
随分前、清澄公園で、お馬鹿ネコにであった。
おおきな池を群なして泳ぐ鯉が、岸にやってくるので、とびかかろうとしていたのだ。
われわれ人間には目もくれず、身を低くするネコ科特有の攻撃開始の体勢をとっていた。
魚をとってくってしまいたい、というあくなき欲望のオーラをだしていたので、心配になって、観察した。
くいたい、とびこめない、という逡巡の時間が果てなくつづいて、こちらが根負け、先に立ち去ってしまった。
ホワイト氏の「セルボーンの博物誌」(寿岳文章訳)にも、ネコにふれた箇所がある。
「まことに魚こそ、彼等(家猫)の最も好む食物のように見えます。しかるに拘らず、自然はこの場合、なにかの助けを借りない限り、彼等自身では充たす方法を知らぬやうな欲望を、彼等の資性に植ゑつけたやうに思はれる。なぜと言って、あらゆる四足獣のうち、最も水のにが手なのは猫で、濡らさずにすむものなら、足一本でも濡らすまいとする。まして水の中へ飛びこむことなど、夢にも欲しません」
一番すきなものを、自分では手にいれられない。神さまも意地悪である。
そういう意味で、金魚鉢の発明は、ネコに光明を与えた歴史的な出来事ではなかったか。
前脚で、さばいて、金魚ゲット! ネコのイライラを解消する画期的新製品だった。
時間をかけて、金魚鉢の歴史を、猫の目をとおして、しらべてみよう。
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落語には「猫と金魚」(田河水泡作)があるし、寄席では、「すず風にゃんこ・金魚」という女性漫才師をみたことがある。
江戸文化における、金魚と猫の関係も面白そうだ。
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