水嫌いの猫と、金魚とミラーズ・キャッツ

イメージ 1
 
 ネコは、水が嫌いで、季節の変わり目の「お風呂」でも、大さわぎとなる。
 
 温泉すきの猿、サーフィン犬がいるのに、ネコはカラキシ、水が駄目である。
 
  随分前、清澄公園で、お馬鹿ネコにであった。
 
 おおきな池を群なして泳ぐ鯉が、岸にやってくるので、とびかかろうとしていたのだ。
 
 われわれ人間には目もくれず、身を低くするネコ科特有の攻撃開始の体勢をとっていた。
 
 魚をとってくってしまいたい、というあくなき欲望のオーラをだしていたので、心配になって、観察した。
 
 くいたい、とびこめない、という逡巡の時間が果てなくつづいて、こちらが根負け、先に立ち去ってしまった。
 
 
 ホワイト氏の「セルボーンの博物誌」(寿岳文章訳)にも、ネコにふれた箇所がある。
 
まことに魚こそ、彼等(家猫)の最も好む食物のように見えます。しかるに拘らず、自然はこの場合、なにかの助けを借りない限り、彼等自身では充たす方法を知らぬやうな欲望を、彼等の資性に植ゑつけたやうに思はれる。なぜと言って、あらゆる四足獣のうち、最も水のにが手なのは猫で、濡らさずにすむものなら、足一本でも濡らすまいとする。まして水の中へ飛びこむことなど、夢にも欲しません
 
 一番すきなものを、自分では手にいれられない。神さまも意地悪である。
 
  そういう意味で、金魚鉢の発明は、ネコに光明を与えた歴史的な出来事ではなかったか。
 
 前脚で、さばいて、金魚ゲット! ネコのイライラを解消する画期的新製品だった。
 
 時間をかけて、金魚鉢の歴史を、猫の目をとおして、しらべてみよう。
 
    ++++++++++++++++++++
 
 落語には「猫と金魚」(田河水泡作)があるし、寄席では、「すず風にゃんこ・金魚」という女性漫才師をみたことがある。
 
 江戸文化における、金魚と猫の関係も面白そうだ。
 
++++++++++++++++++++
 
 ところで、「セルボーンの博物誌」には、註がついている。寿岳さんが、18,19世紀の博物学者の知見を随時、引用したという。ネコについても、興味深い註がー。
 
猫の水嫌ひははたして絶対的な事実かどうかは更に究明を要するであらう。millers’ cats (水車屋の猫)と称せられる種類は、好んで水に入り、魚を捕るとも伝へられる」とある。
 
 ミラーズ キャットをさがせ!