坂田ワールドが好きなわけ

 アジアでは、樹木に神がおりる信仰があるけれど、西洋では、悪魔がやどる木の枝があるのだな。
 
 坂田靖子さんの新作まんが「サタニックブランチ」は、悪魔の枝=サタニック・ブランチをふると、悪魔がでてくるというのが、出だしだった。
 
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 悪魔の枝なんか、あるんだ。
 
 直後、WOWOWで「マンク」(2011)というスペイン・フランス合作映画をみた。
 
 マドリッドの修道僧が邪悪僧に変貌する、ちょいと気味悪いドミニク・モル監督作品。
 
 主演の僧が、墓場で、悪魔のつかいの女性修道僧から、木の枝をわたされる、普段なら、見のがしてしまいそうな場面があって、これが、悪魔の枝、サタニックブランチなのだな、と坂田漫画の知識で、合点がいった。
 
  悪魔の枝はなんなのだろう。セイヨウニワトコ=エルダーあたりがあやしいとアタリをつけているが、まだたしかめることができない。
 
 坂田靖子作品では、「ライム博士の12か月」(1984)に、ドイツの悪魔「メフィスト」の名をつけられた、ロボットがでてくる。
 
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 円盤からすてられた役たたずで、図々しい存在なのだが、しだいに、主人公ライム博士のかけがえのない同居者になってゆく。
 
 悪魔がすきなようだ。
 
 悪魔の日本版は、「鬼」あたりになるか。
 
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 鬼の子と、怖怖、くらすはめになる二人の男が、やがて鬼の子がさってしまうと、さみしい思いにとらわれる「桶」(『珍見異聞②』収録)という作品もあった。
 
 
 龍や、おばけとくらす話も多い。
 
 異界の者と交歓するのが、坂田マンガの大切な主題のひとつでもある。
 坂田マンガが大好きな所以でもある。