高島屋で熊鷹に出会ったこと

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 久しぶりに細と、新宿・高島屋に買物にでかけた。上階のテラスにでると、小さな祠があった。
お稲荷さんかとおもったら、金文字で、「熊鷹社」とあった。
 京都の伏見稲荷の奥に、やはり「熊鷹社」があって、そこの末社なのだろう。昨年末、伏見稲荷にいったが、途中でへこたれて、奥社にもいかず、その先の熊鷹社にも、とても足をはこぶ余裕がなかった。池の傍にあって、不思議な雰囲気をもっている。
 
 熊鷹は、上方落語の演目に「欲の熊鷹」があって、笑福亭松葉がえんじたのをCDできいたことがある。欲張り同士の男たちより、さらに上をゆく欲張りの女がいた、という、たわいない噺だった。ことわざに「欲の熊鷹、股裂くる」というのがあって、それから題名をとったらしい。
 四国・徳島の民話に、欲ふかい熊鷹が、イノシシを両足でつかまえたが、イノシシが左右別々ににげだした。それでも熊鷹が、はなさなかったのでの、股がさけた、というのがあって、ことわざがうまれたとのことだ。
 クマタカは、東北地方で鷹狩りにもちいられ、勇壮で、羽をひろげてとぶ姿は、たいへん美しい。関西で、コミカルな存在になっているのが不思議といえば不思議。茶化される生態の鷹ではないし、山にすみ人々に親しまれる鷹でもない。
 はっつあん、熊さん、「クマ」つながりなのか。クマタカ」=「苦股か」の駄ジャレなのか。
  
 モンゴルでは уулын  согсоот бүргэд。 オーリーン・ソグソート・ブルゲド。
「山の、毛羽立った、鷲」、あるいは、「山の、冠のある、鷲」、とでも訳せばいいか。
  英語では、マウンテン・ホーク・イーグル。日本と台湾だけが、「熊鷹」。
 熊鷹社は、商売繁盛の神さまとして信仰をあつめているが、熊と商売の関係といえば、酉の市の「熊手」も、金運をかき集める、縁起物になっている。イノシシをつかむ両足と、クマデの手と、手足の共通点がある。
「クマ」から商売にむすびつき、神さまにまで祭りあげられたということか。
  ともかく、手をあわせて、ご利益を祈願した。