連休の一日、神社仏閣に興味のない細が、去年国宝に指定された妻沼聖天をみにいこうといいだした。どういう風のふきまわしと、とおもいつつ、気ばらしにドライブにでたら、好みであるかはともかく、絢爛な彫刻に正直圧倒された。
江戸時代中期の、日光東照宮にまけない装飾、色彩。
猿をつかむ鷲の彫刻をみつけた。
猿を襲う鷲は珍しいな、とおもったら、木登りして、慢心した猿が手足をすべらせて、急流におちかけたところを、鷲がたすけた彫刻だった。鷲は、聖天の使いで、衆生=猿をたすける、ありがたい存在としてえがかれているということか。
もう一点、鷲の絵があった。
片足でたっていて、これもまた、動きのある構図。江戸時代の鷹は、鷹がとまっているだけのものが多い。例えば、鷹がいるだけで、他の鳥獣を支配している「威振八荒」の図。(「威振八荒(いしんはっこう)」=支配者の威光があまねく及ぶ様)
こんな風に、動きのある鷲の彫刻は優品におもえる。
韓国ソウルの梨泰院の、安売り街でみつけて大昔にかった「威振八荒」図。随分小ぶりの鷹である