#猫

「犬猫人間」の装丁

長谷川如是閑にばかりとらわれていられないが、随筆集「犬猫人間」(改造社)の本の作りも変わっている。 手元に古本店から入手した大正13年の初版本があるが、表紙の題字が絵文字なのだ。函があったのかは不明だが、表紙は御覧の通りで、これだけ見たらタ…

如是閑の猫たち

古い雑誌に目を通していると、猫を題名にした本の広告が掲載されているので興味深い。長谷川如是閑「犬・猫・人間」(改造社、1924=大正13年5月)もそのひとつ。大正デモクラシーのジャーナリストが、どんな風に猫を描いているのか、取り寄せて読んで…

蛇に見立てた猫の尻尾

ヌエ(鵺)のことで、猫と蛇に触れたが、猫を観察していると、尻尾が蛇に似ていると思うことがある。とくに、左右にクネクネと振る時。 高浜虚子の戦時下の俳句に猫の尾に触れたものがあった。 昭和18年4月25日、小石川植物園御殿「冬扇会」での披露句…

「不猫蛇」ってなにか

俳聖・松尾芭蕉の没後には、弟子たちの激しい対立があったようだ。猫の名がついた「不猫蛇」という書を、蕉門十哲の越智越人がものしているのを知って、どんな猫蛇だと興味を持って、のぞき読みしたところ、同じ十哲の各務支考に喧嘩を売っている内容だった…

正午前の猫の目時計

猫の目で気になっていたことが氷解した。 午前11時45分ごろの猫の目 窓辺で秋の陽を浴びて寝転ぶ猫は、きつい表情に見える。理由は円らな筈の目の黒い瞳が縦に細くなっているからだ。光量を調節しているのだと、今では誰でもが知っている。 フランスの詩…

マンクス猫でひと休み

戦時下の文学者や芭蕉やらで頭が一杯になったので、ちょっと休憩。猫の本に目を通す。 英国ウエストサセックス州の長閑そうな街ゴリン=バイ=シーの古本店から届いた尻尾のない猫のマンクスの本。「A DE-TAILED ACCOUNT OF MANX C…

生類憐れみの令と猫の句

芭蕉の門下に、猫や鼠の俳文や句が目立つというのは、徳川綱吉の「生類憐れみの令」と関係があるのだろうか。 芭蕉は元禄七年に没したが、弟子の蕉門十哲は、杉山杉風を除き2-30代で元禄を迎え、元禄末の17年に丈草が没したが、9人はさらに長く生きて…

ネコと禅僧の長い付き合い

其角の猫の五徳について、やっと、清の「淵鑑類函」を通して明の「古今譚概」にたどり着いたが、なんということはない。中国文学者の今村与志雄氏(1925-2007)が「猫談義」で、其角の猫の五徳と、馮夢龍編著「古今譚概」の猫の五徳について書いて…

其角の「猫の五徳」

宝井其角という元禄時代の俳人は、偉大な師匠松尾芭蕉に比べても、知識も豊富、世間のこともよく分かった御仁だった、と思うようになった。しかし、句は当時の事情が分からないと理解できない難点がある。 猫の句が多いのも好ましい。猫の「5つの徳」として…

猫と夫婦喧嘩

家で猫を飼うと、家族で家を空けられなくなる。長い休みがあっても、一泊も家族旅行に出られなくなった。 朝、細が外出の支度をするそぶりをしようものなら、猫はすぐ感じ取って、化粧の邪魔しにやってくる。 食事の時は、用もないのに食卓の椅子に飛んでき…

金危危日の猫の絵

花冷えの午後、神田神保町の外れにあるY書房の前を通ると、若いご主人が外で寒そうにしていた。 声を駆けると、「締め出されてしまって」。 事情を聞くと、昼休みに店のシャッターを半分閉じて内側から鍵をかけ、脇のビルの玄関口から出たはいいが、階上の…

猫の表紙と鼠の挿絵

猫が表紙の昭和24年3月号の「笛」は、表紙裏に、鼠の挿絵が印刷されている。茄子のような野菜を、鼠がむしゃむしゃ齧っている。 同号の表紙が猫なので、挿絵は鼠をと、版画家の関野凖一郎氏(1914-1988)に編集者が提案して注文したのだった。 …

松本たかし主宰「笛」の表紙猫

猫は天気がよいと、窓辺で午後を過ごし、そうでないと、我が部屋のクロゼットの上段に潜り込んでじっとしている。休日に、猫が窓辺で脚を伸ばして横になっていたとき、毛並みをなでてみた。春めいてきた日差しを浴びて、体全体があたたかくなっていた。 日差…

上代日向研究所について(4)

その時、考古学者の瀬之口伝九郎氏は、知らされていたのだろうか。 陸軍は、2ヶ月前の昭和17年4月、古墳群が広がる宮崎市の西北、現・国富町の木脇地区に、飛行場建設を決定していた。 紀元二千六百年にあたる昭和15年10月に、陸軍は少年飛行兵を育…

上代日向研究所について(3)

ロス、シアトル、バンクーバーなど海外から贈られた石材も活用して建立された「八紘之基柱」の紀元二千六百年奉祝事業と違い、上代日向研究所の開所は手間取り、翌昭和16年8月8日に行われた。 所在地は宮崎県立図書館。その日のスケジュールは、「所報第…

上代日向研究所について(2)

上代日向研究所には、前述のメンバーのほか、宮崎県立中学校教諭の廣田孝一氏が委員として嘱託されていた。 京都帝大で西洋史を学んだので、歴史の教諭だったのだろうか。 生れは京都であるが、高知で育ち、徳島夜間中の教諭をしていた昭和12年(1937…

上代日向研究所のこと

球春、プロ野球のキャンプもたけなわ。テレビのスポーツニュースをぼんやりと眺めながら、幾度か訪ねたソフトバンクやジャイアンツの宮崎キャンプを思い出す。 サク越えの当たりを連発する野手を見て騙されたものだ。ブルペンで速球を投げ、仕上がりの早い投…

鼠の怖さがわからない

本を鼠の害から守った猫を、北宋の詩人、梅尭臣が称えたが、鎌倉時代に作られた最古の武家文庫「金沢文庫」にも、猫の伝説が残っている。 文庫を創設した北条実時(1224-1276)が鼠から典籍を守るため、中国猫を輸入したというものだ。 また、日宋…

イチョウと鴨の足

師走も半ばとなって、銀杏がやっと真黄色に輝きだした。 銀杏は、「オウキャク」と言われているのが、気になって調べてみた。「鴨脚」と書く。 銀杏の葉が、鴨の足に似ているのでそう呼ばれたのだという。中国・江南地方では、「鴨脚」をヤチャオと発音する…

漱石忌とうちの初代、2代目猫

知人がフェイスブックで、ジョン・レノンが殺害された当日の思い出を書いていた。 12月8日、私は石坂敬一さんの元へ、東芝EMIに飛んで行ったのを覚えている。その石坂さんも泉下の人となった。 その翌日は、漱石忌なのだと最近知った。 我が家の猫は、…

ダルマと九重塔の風鐸

昔、モンゴルの寺院を訪ねたときに、2階の軒の隅に吊るされた風鐸が揺れて、音が鳴り続けたのを覚えている。草原の風が強かったのだろう。 同行した女性歌手Kさんが「あの鐘はなんといったらいいのか知ってる?」 と聞いた。 「風鐸だと思います」。 すん…

野良猫、野良犬と山頭火の交流

青空文庫で、俳人の種田山頭火の日記に目を通していくと、たくさんの心惹かれるものと出くわした。 例えば、犬と猫との逸話。1940年10月11日に松山市の一草庵で57歳の生涯を終える前に、犬と猫が「一草庵日記」に登場する。ともに、野良である。 …

ネコと鉱山

我が家のネコは、夜になると元気になって、一緒に遊びたがる。 未明にトイレに起きようものなら、走って付いてくる。足にすりすりし、戻る時に、餌を置いてある「猫部屋」に先に駆けて行き、空になったご飯のおねだりか,釣竿のネコジャラシで遊ぼうという強…

築地に猫投入案

我が家の猫が前脚で、虫をいたぶっていると思ったら、チャバネゴキブリだった。 ゴキブリが出たか! 紙でつまんですぐ、捨てた。 その後、朝、死んでいるチャバネゴキブリを発見するようになった。 猫がいたぶって殺したのだろう。 今年は、ゴキブリが多いな…

トタン屋根の猫と電柱の猫

なぜ、土産の埴輪の話になったかというと、猫が書棚の最上段にのぼり、置いてあるものを、前脚で落としているからだ。 フォトスタンドを落とし、皿、鉱石、箱と落としまくり、とうとう埴輪も落ちてきた。 かまって欲しいための示威行動で、捕まえて棚の上か…

クジラのひげの猫じゃらし

また日高高萩までドライブし、知人の珈琲店で一休み。庭で、ねこじゃらしを見つけたので、1本猫のために貰って帰った。 鉢植えの西洋風ねこじゃらしを以前試して、全く反応がなかったので、期待していなかったが、猫の興奮度がすごかった。 はじめ床で穂を…

さみしがり猫

細が突然入院した。 夜遅くなっても戻らないので、猫が異変を感じたらしい。 ガラス戸から外を見つめ、にゃあにゃあと、大きな声をあげ、 別の部屋のガラス戸に行ってまた、にゃあにゃあと、声をあげる。 私は病院から戻ってひと息つき、「あと、3、4日は…

キプリングを愛読したバルトーク

作曲家のベラ・バルトーク(1881-1945)が、家出した知人の猫の声をはるか遠くから識別し、木の上から下りられずにいた猫を発見、救出したこと、猫の鳴声の音程を分析して、子猫にその音程で語りかけると、親猫と間違えてついてきたことなど前に書…

猫の東屋姿、小車姿

息子夫婦と日高の知人の珈琲店に出かけた。 帰り、近所にある高麗神社を訪ね、境内に隣接する重要文化財の高麗家住宅を回ると、敷地内に四阿家があった。 こういう時に、変なことを思い出す。たしか、鷹狩で鷹をサポートする鷹犬に関する言葉に、アズマヤが…

猫のための龍泉白剣

真夜中の猫の活躍は大分落ち着いてきたが、夜のジャンプは、昼間の猫の動きから想像もできないほど高いことが判明した。天井近くの高い棚やら、コートハンガーのパイプにのぼっているのが見つかった。 その上、前脚を出して、扉の上の壁にかけてある、おもち…