2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

知恩院三門を舞台にした「織田信長」

大正11年(1922年)京都の洋画家船川未乾は、京都商業会議所で個展を開いた後、4月に夫人と一緒にフランスに渡航した。 京都ではこの年、龍谷大、大谷大、立命館大が大学設立の認可を受け、大学都市へと歩を進め、全国を回っていたフランスのクローデ…

ワニゴチの涙

玄関正面の壁に、母親が生前に書いた「般若心経」を掛けることにした。多くの知人友人が相次いで亡くなり、なんだかこんな気分になった。 玄関の棚には、ワニゴチの陶芸を置いた。どこに置こうか、あるいは掛けようか迷っていたのだが、この魚にはトゲトゲし…

山野草の会で見つけた武蔵鐙

春の山野草の会に、細と連れ立って行ってきた。毎回、面白い名称の草と出会う。 今回は、ムサシアブミの展示が数鉢あった。鐙(あぶみ)の形に似ているので、命名されたらしい。 鐙についておさらいしてみた。 鐙は、日本では、古墳時代に騎馬文化の流入とと…

未乾デザインの検印紙

詩画集を2冊出した洋画家・船川未乾と美学者・園頼三は、8年後の昭和2年(1927)にまた一緒に協力して1冊の本を作り上げる。 「園頼三/怪奇美の誕生」で、船川が装幀を担当し、創元社から刊行されたのだった。 創元社を立ち上げたばかりの矢部良策…

園頼三が見つけた未乾の自画像

大正7年(1918)8月、列強はロシアの革命政府に武力干渉し、日本も米国とともにシベリアへ出兵し、シベリア経由で脱出を図るチェコ軍を救出するために赤軍と戦った。 国内では、シベリア出兵を見越して、投機目当ての米の買占めが発生した。米価が2倍…

知人の庭の水仙とワーズワース

知人宅に1週間前息子夫婦とともに訪ねた時のこと。庭に、水仙が見事に咲き誇っていた。5か所で群生していた。明るい黄の水仙。白い花も少し交っていた。 夫人に伺うと、「植えたわけではないのですよ。どこからか飛んできたのでしょうかね。今年は、こんな…