2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

芭蕉堂の花供養

京都東山の真葛が原にある芭蕉堂は、天明7年(1787)刊行の「拾遺都名所図会」に、大雅堂などとともに紹介され、絵の右隅に小さく描かれている。 俳人の高桑闌更が天明3年(1786)、西行、芭蕉ゆかりの地、双林寺の境内に自ら庵を構え、芭蕉堂を建…

未乾画伯の装幀本と鯖姿寿司

京都の洋画家・船川未乾(ふなかわ・みかん、1886-1930)装幀の古書が届いた。 大正10年に刊行された川田順の歌集「陽炎(かげろう)」。大分色あせている。 昭和4年に改訂される前のもので、表紙が桃色のグラデーション、裏表紙が水浅葱。裏表で…

定雅、土卵と馬琴の交流

戯作者瀧澤馬琴の長男の妻、路の愛猫ぶりに触れたが、江戸時代後期、江戸の馬琴と京の洒落本作者の交流はあったのだろうか。ふと気になった。 調べてみると、馬琴は81歳の生涯でただ一度、京都に旅していた。享和3年(1803)、36歳の時だった。 京都…

江戸後期の猫薬と瀧澤路のこと

江戸後期の天保13年(1842)に刊行された犬の飼育法「犬狗養育法」(暁鐘成)をwebで読んでいたら、大阪心斎橋にあった「清水堂滄海堂」が販売する犬の薬が各種紹介されていた。 その中の「柔狗強壮散」は、文字通り、柔な(虚弱体質の)犬を強壮に…