2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

魚藤の「李白一斗酒詩百篇」

取手の川魚料理の魚藤は、地元の水墨画家の小川芋銭ばかりか、春陽会の画家たちが好んで集まるいい店だったようだ。 店での画家たちの集まりには、船頭の総元締の刀水漁郎のほか、説教節を歌う染太夫が同席することがあった。染太夫については詳しく分からな…

芋銭泊雲の書簡集に描かれた恒友

俳人西山泊雲の生家の丹波の西山酒造場が、泊雲と小川芋銭の大正5年から昭和13年の手紙のやり取りを立派な本にしていたことを知り、慌てて連絡した。「芋銭泊雲来往書簡集」。3年前の発行だったが、在庫があるというので取り寄せた。 2人の書簡には、共…

刀水漁郎と木槿の花

画家森田恒友にゆかりのある人の話を続ける。 水墨画家の小川芋銭は、自然の残る茨城県取手で暮らし、利根川の向こう岸に住む、漁師の宮文助の人柄を愛した。文助も芋銭を尊敬し、揮毫をねだって、地元の連中に配った。 芋銭の仲間の森田恒友、小杉放菴も文…

五輪騒ぎの中の恒友

画家の森田恒友が千葉医大(現千葉大)に入院したのは、昭和7年の12月。仲間たちには年が明けた正月に連絡をした。 一番で見舞いに駆けつけたのが、小杉放菴、木村荘八、中川一政の春陽会の仲間と、画廊琅玕洞の林氏(數之助か)の4人だったことが、恒友…

恒友の墓を探して

土曜日に、息子一家と墓参りに出かけた。息子の運転で、いつも通り多磨霊園から小平霊園とハシゴする。今回は、多磨霊園のなかで寄り道してもらった。 18区で細の実家の墓掃除をしてから、13区へ回ってもらったのだ。道は行き止まりが多く、やっと到着し…

神保町のネコとジネズミ

6月に入って、神保町の古書店街が店をあけたので、昼に散歩に出た。 緊急事態宣言下の5週間は、古書店が一斉休業。街は寂しいものだった。6月になって宣言は継続されたものの、緩和措置とやらで、休業解除を決めたようだった。 やっこ寿司に寄ってから、…