2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吉祥寺の健脚版画家

正福寺地蔵堂が掲載されていた「武蔵野1956年春号」には、東京・吉祥寺で暮らしていた版画家・織田一麿への追悼文が、考古学者後藤守一によって綴られていた。同誌の発行者の後藤が、織田に随筆を依頼に行き、豊富な話題に引き込まれた思い出や、奥多摩…

折れた板碑のたたり

東京都の国宝建築物、地蔵堂のある東村山市の正福寺境内には、秩父青石(緑泥片岩)の大きな板碑が小堂に納められている。 この板碑も、昭和2年に地蔵堂を発見した郷土史家稲村坦元、建築史家田辺泰の両氏が関わっていた。 稲村氏は当時、地元で農業を営み…

もっと知りたい正福寺地蔵堂

前回触れた東京都下、正福寺の国宝・地蔵堂について、もう少し調べてみた。 地蔵堂は1927年の「再発見」後、鎌倉の円覚寺舎利殿(国宝)とともに、「唐様(禅宗様)」の2つの代表建築とされた。 しかし、円覚寺舎利殿については、その後重大な発見があ…

曲がった牛蒡と、間違った道順

午前中、我々の事務所への電話が、かからなくなった。外に出ているスタッフから、所内のスタッフのケータイに電話があり、事務所の電話が通じないと言ってきたのだ。 確かめるため、ケータイから事務所の番号へ電話すると、「ただいま回線が混みあって、かか…

二千円札のおつり

神田の街は、緊急事態宣言で古本店がみな閉まっている。5月一杯、昼の散歩も味気ないものになる。 和菓子の老舗が開いていたので、生和菓子を買いに入った。5月の菓子のうち、あえて今回は柏餅、木の芽田楽は外し、藤、清流、岩根つつじ、落し文、卯の花、…