2018-01-01から1年間の記事一覧

蓮の葉の力

葉っぱの力 紀尾井ホール(東京・千代田区)の公演(俚奏楽)で、目を奪われたことがある。小ホールに入ると舞台の淡色の幕の中央に、人の背丈ほどの見事な葉っぱがひとつだけ貼り付けられていたのだ。 その葉が、まるで茶花のように、客人をもてなしている…

クジラのひげの猫じゃらし

日高高萩までドライブし、知人の珈琲店で一休み。庭でねこじゃらしを見つけたので、ことわって1本猫のために折って持ち帰った。 鉢植えの西洋風のねこじゃらし(ラグラス?)を以前猫に試して、全く反応がなかったので、期待していなかったが、猫の興奮度が…

冷やし中華で一人相撲

ランチタイム。先週、大盛冷やし中華を食べた事務所の近所の店に繰り出した。 雨模様で、肌寒かったが、意を決して、大盛冷やし中華を注文することに決めた。前回の注文のなぞを解くためだ。冷やし中華の大盛を食べたのに、「いいよ、いいよ」といわれ料金が…

スガとタギの世界観

きよきよしい、か、すがすがしい、か。 キヨかスガか。結構難しいと考えている。 4、5世紀に但馬を治めた人物、多遅摩清日子(清彦)の呼び方である。渡来した天之日矛が但馬で生んだ子供であり、神功皇后の祖でもある(古事記)。倉野憲司校注「古事記」(…

恒友、泊雲の松茸狩

細が入院する病院に通いながら、高円寺の古本屋で見つけた森田恒友の「画生活より」を読んだ。恒友は、今まで幾度か触れてきた大正、昭和初期の画家で版画家だ。 パリ留学したのはいいが、第一次大戦下のパリに到着。緊迫する戦況の中、心酔するセザンヌの郷…

冷やし中華大盛りの謎

今日、事務所の近所にある大衆的な中華料理店でランチを食べた。 冷やし中華、しょうゆダレを頼んで、大盛りにしてもらった。 一緒に行った仲間の1人は、ゴマダレの冷やし中華を頼んだ。 運ばれたものを見ると、普通盛りと大盛りは器が同じ大きさだった。見…

さみしがり猫

細が突然入院した。夜遅くなっても戻らないので、猫が異変を感じたらしい。ガラス戸から外を見つめ、にゃあにゃあと、大きな声をあげ、別の部屋のガラス戸に行ってまた、にゃあにゃあと、声をあげる。 私は病院から戻ってひと息つき、「あと、3、4日は帰っ…

キプリング少年期の悪夢

作曲家のバルトークが見抜いたように、キプリングの小説が甘くないのは、ジャングルで少年が1人で暮らさなければならない設定からしてその通りなのだが、その設定の背景には、キプリングの英国での多感期の少年時代が大きく反映している。 キプリングは6歳…

キプリングを愛読したバルトーク

作曲家のベラ・バルトーク(1881-1945)が、家出した知人の猫の声をはるか遠くから識別し、木の上から下りられずにいた猫を発見、救出したこと、猫の鳴声の音程を分析して、子猫にその音程で語りかけると、親猫と間違えてついてきたことなど前に書…

ミソサザイを語り部に選んだキプリング

語り部としてのヤツガシラ。 あらためて、世界の鳥のWEB検索、AVIBASEで、ヤツガシラの鳴声を確認すると、ホ、ホ、ホ(間)ホ、ホ、ホと3連音繰り返す単調なものだった。 それでもまあ、とつとつと語るようにおもえないこともない。 英作家ラドヤ…

ヤツガシラ 続き

ヤツガシラは、米作家で博物学者のピーター・マシーセン(1927-2014)の代表作「雪豹」の中に出てくる。 著者は、ネパール北西の聖山を目指し、ヒマラヤアオヒツジの生態を探る動物学者に同行し、雪豹探しに出る。ヒマラヤ山中、2ヶ月の難行。ダウ…

レコードで出会ったビューイックの木版画

レコードの棚から久しく聴いていないものを引っ張り出したら、 英国の版画家で、博物学者でもあるトーマス・ビューイック(1753-1828)の版画がジャケットに使われた「イングリッシュ・オーボエ名演奏」(トリオ)が出てきた。 ビューイックはギルバート・ホ…

ご近所の大聖堂サボール

事務所から坂を上るとニコライ堂がある。信者以外の大聖堂の立ち入りは、ずっと出来なかったが、ある時から拝観料代わりの少額の「お布施」で、大聖堂の中を見ることができるようになった。元日に息子と初詣の折りに立ち寄り、絢爛とした内部装飾とイコン像に…

猫の東屋姿、小車姿

息子夫婦と日高の知人の珈琲店に出かけた。 帰り、近所にある高麗神社を訪ね、境内に隣接する重要文化財の高麗家住宅を回ると、敷地内に四阿家があった。 こういう時に、変なことを思い出す。たしか、鷹狩で鷹をサポートする鷹犬に関する言葉に、アズマヤが…

猫のための龍泉白剣

真夜中の猫の活躍は大分落ち着いてきたが、夜のジャンプは、昼間の猫の動きから想像もできないほど高いことが判明した。天井近くの高い棚やら、コートハンガーのパイプにのぼっているのが見つかった。 その上、前脚を出して、扉の上の壁にかけてある、おもち…

よひらが咲いて下葉の蛍を思う

我が家に紫陽花の鉢があるが、もうだいぶ前から花をつけていて、ガクアジサイかと思って、細に確認すると、「ヤマアジサイかもしれない」という。いずれにせよ、よひら(4つの花弁)で、「毬」に例えられるアジサイとは違う。 和歌は苦手だが、藤原定家の歌…

竈猫と香炉猫

真夜中、猫が箪笥の上や棚などに乗って、物を次々に落として騒いでいる。音が響いて、目が覚める。細は寝不足になり、カッカする。猫は夜行性だから、夜もかまって欲しいらしい。 香炉を落とすのが一番困る。朝確認すると、床に灰が散らかっている。わが部屋…

スガルについて新たに判ったこと

日本書紀に登場し、三諸山の大蛇を捕らえる怪力「蜾蠃(すがる)」について、触れてきた。中国でジガバチを意味する蜾蠃=カラ=の漢字名が、何故すがるに付いたのか、興味を持ったのだ。 すがるという言葉は、宮沢賢治の歌に登場。今もハチの意味の岩手方言…

嵯峨野の花とネコジャラシ

京都・嵯峨野の住職から頂いて、持ち帰ってきた寺の庭の草花が次々と花咲かせている。 春が来てイワセキショウの白い花が咲いたと思ったら、今度はホタルブクロの花が咲いた。 ホタルブクロは花の形から、釣鐘草ともいわれるが、初夏の花。通常6月になって…

カイツブリと鵜の女帝

神功皇后の名が、オキナガタラシヒメと、カイツブリに関係したように、別の古代の女帝に別の潜水する鳥の名がついているのが、面白いと思っている。 持統天皇(645-703)だ。鸕野讚良(うのささら)という。鸕の表記だが、鵜のことだ。 中国語では、…

大宮公園の息長鳥、シナガドリ

休日、盆栽村の大盆栽まつりの帰り、大宮公園へ寄って池畔のベンチで一休みした。一羽の鵜が飛来して目の前で潜水した。鵜は潜ったままなかなか水面に出てこない、目を凝らしていると、はるか向こうで浮き上がった。 小さなカイツブリも1羽居て、目の前で頻…

噴火と鎧と

榛名山・二ツ岳噴火で埋もれた金井東裏遺跡(群馬県渋川市)のことを書いた手前、あらためて調べなおしてみると、発掘が進んで、知見が深まっていることが判明した。 目に付いたのはー ◆鎧(札甲)を着たまま発見された男性の近くで、新たに首飾りをした女性の…

噴火のニュースと水沢うどん

ハワイ島キラウエア火山の噴火や地震のニュースが続いている。マグマが道路の裂け目から噴出している映像に驚いた。同じ噴火でも恐怖のあり方が違う。飛騨の御嶽山、草津の本白根山の噴火では、火山弾が飛んでくる恐怖感を映像が伝えた。 黄金週間のある夜、…

不作のタケノコと美食のイノシシ

タケノコは日本全国で豊作だったと思い込んでいたら、そうでなかったことが、連休の一日、房総をドライブしてわかった。昼食で入った外房・長南町の蕎麦屋の主人が、あんまり地元の野菜の自慢をするので、 「ことしはタケノコも豊作だったでしょう」と聞いた…

たけのこラッシュと大江丸

今年は陽気のせいで、タケノコの伸びも早いようだ。タケノコを呉れる人が連続し、断っても家まで強引に車で運んできたりする。玄関に運ばれたタケノコを見たとき、発達しすぎて固くて食べられないのかと心配したが、包丁を入れると柔らかい。 子供が小さかっ…

カラフト犬の犬ゾリについて犬飼さんの記述

近所に住む、サングラス姿で派手な服装をする老齢の女性と知り合って、立ち話をするようになった。 ある時、おばあさんが樺太の落合生まれだと知った。珍しいので、「故郷に帰ってみたいですか」と聞いた。「すぐ北海道に移ったし、あまり思い出がないんです…

30分持った猫の集中力

我が家の2歳の猫は、岩合光昭さんの猫の番組が好きで一緒に見ているが、最近は猫以外の動物にも関心を持っていることがわかった。昨夜もNHKの「ワイルドライフ」を見ていたら、猫はテレビ画面の前にチーターを見にやってきた。ライオンとのにらみ合いもじ…

猫嫌いになった人やボス猫のこと

猫が嫌いな人がいる。どうしようもないくらい嫌いな人がいる。私が敬愛する文学者にも猫嫌いがいるが、理由があるようだ。 中国の魯迅は、大事に飼っていたハツカネズミを猫に殺され猫嫌いになった。特に、猫が一気に命を奪わず、もてあそぶように,いたぶっ…

ポートワインのラベルに鳥が

この鳥はなんなのだろう。スチュワートさんにすすめられて、ポートワインを飲むようになった。英国で育ったスチュワートさんは、父親がポートワインを愛し、ワインセラーに沢山の種類を貯蔵していたという。家族でこの甘いワインを、食後に嗜んだそうだ。 ス…

因幡の茶うさぎ

同僚の鳥取出張が連続したせいで、ウサギの菓子の土産が続いた。因幡の白うさぎ〔米子市〕を象った饅頭、焼き菓子。うさぎが描かれた、とっとりせんべい〔鳥取市〕。ウサギが鳥取のPRキャラクターになっているのに気付いた。 白うさぎの饅頭、焼き菓子など…