2016-01-01から1年間の記事一覧

盆栽市に付いて行って亀や陶器を手にいれた話

GWの一日は、細に付き合って、大宮盆栽市へ。盆栽歴10年ほどの細は、安価な中型の鉢探しが目的だったようだ。 普段は静かな並木の通りにずらりと店が出ている。凄い人出。途中で、盆栽愛好家たちの人混みから離れて、出店の子供たちが遊んでいる脇の方で…

伊豆大島に放たれた猫のなぞ

18世紀に、伊豆大島に猫が放たれた、という古文書があるのを知った。 「大島差出帳」に、江戸時代の宝永年間あたりの出来事として、猫が島に運ばれて放たれたとある。 僕には、よく、飲み込めない。 「元禄二年より宝永五年十二月迄二十ケ年余御放鳥、鳶・…

モルという名の猫から蒼国来関のことを勝手に思う

大相撲の荒汐部屋(日本橋浜町)の猫「モル」が面白い。早朝から力士たちの稽古を見守る11歳のオス猫。貫録がある。 ソーシャルメディアやTVでさかんに取り上げられている。九州場所中、拾われて東京に連れて帰られ、部屋の看板猫になってしまった。 今さ…

あらためてバルトークの猫伝説

飼猫探しは、音楽家の協力に限るようだ。 別荘から逃げ出した猫の鳴き声を、鋭い耳で聴き分けた逸話の持ち主が、ハンガリーの作曲家ベーラ・バルトークだ。1940年、バルトークは、ナチス圧迫下の祖国を脱して、年下の若い夫人とニューヨークで生活を始め…

神保町の三毛猫からバルトークの猫伝説へ

新しい仕事場は、神保町の近くなので、猫のいる古レコード店にも行く機会が増えそうだ。早速、仕事を終えて、顔を出すと、玄関で猫と出くわした。 ミャーと怒ったような声をあげて、三毛猫は、ジャンプしてレコード棚の上に登り、「猫ちゃんや~」と声を掛け…

ハヤブサの呼称と下毛野朝臣古麻呂

なおも、奈良時代のハヤブサについて。 大宝2年(702年)に、薩摩隼人のくにが「唱更国」と命名されたのは、理由がある。薩摩隼人が文武朝に逆らったので、征討されたためだ。「続日本紀」に、反乱や制定の動きが出ている。 大宝2年8月1日 薩摩と多褹…

出雲国風土記でハヤブサを晨風と表記したわけ

久しぶりにハヤブサについて。 ハヤブサは、トルコ、モンゴル、朝鮮と、鷹狩文化が盛んだった地域で、一定の呼ばれ方をしていた。 ションホル。地域によっては、ションコル、ションコンなど、変化はある。 例えば17世紀の、朝鮮語の辞書「新増類合」を見る…

春場所速報に力が入るモンゴルニュース

モンゴルの代表的新聞「オノードル」のWEBサイト、モンゴルニュースに、大相撲報道が戻ってきた。 春場所になって、 初日=白鵬、鶴竜の2横綱に土 2日目=白鵬、横綱最多671勝達成 3日目=日馬富士に土 と連日、速報で伝えている。 昨年は、報道が…

中学時代に茂田井画伯の狸に触れていたのだった

佐藤垢石の「狸の入院」の装幀で、茂田井武画伯を初めて知った、と前に書いたけれど、なんと中学生の頃から、知らずに茂田井画伯の挿絵に触れていたことが分かった。 部屋の整理をしていたら、出てきたのだ、処分しなかった大昔の本が。 「英語絵ばなし叢書…

ハクトウワシを仕込んでドローン捕獲させる企て

不法ドローンを捕獲するため、オランダの警備会社がハクトウワシを仕込んで実用化を進めているというニュースが話題になっている。ロンドン警視庁は、ドローンの刑務所への侵入の企てが相次いでいることから、ワシによる警備に関心を示している、と英国メデ…

ブルドーザー運転手が手にしたローマ銀貨など

ひと月前、英国のサマセット州で、ブルドーザーの運転手が、ホッケー場の整備をしていて、ローマ銀貨など3339個が入った壷を発見したと、テレグラフのWEB版が掲載していた。 運転手は発見後、キャリーバッグに割れた壷を入れ、すぐに地元の博物館に電…

なぞのジャズLPは、コロンビアのサン・アグスティン遺跡群

4月から忙しくなる。今は猫を可愛がりながら、レコードを聴くのが、至福の時だ。 しかし、探偵ものが好きで、謎があると、ついつい探ってしまうゆえ、謎のレコードジャケットにも反応してしまう。 例えば、ジャズ・ギターのジム・ホールの「concierto」(7…

古麻呂が持ち帰った四騎獅子狩紋錦3

国宝の法隆寺四騎獅子狩紋錦は、だれが長安から日本に持ち込んだのだろう。 「山」「吉」を、安禄山―吉温を表すという仮説を発展させると、遣唐副使の大伴古麻呂(-757)、という結論になる。 唐玄宗皇帝の在位中、安禄山―吉温が幅をきかせていた短い時…

四騎獅子狩紋錦について2

四騎獅子狩紋錦は、ササン朝ペルシア(226-651)で流行したデザインの流れのひとつ。 ペルシャ文物の多くは、シルクロードの貿易活動を担っていたソグド商人が唐にもたらしたと考えられる。 ▼下の写真 新疆の唐墓で出土したソグド人と思われる木俑(「新疆歴…

法隆寺獅子狩紋錦は安禄山を描いたという仮説1

発熱から立ち直ったもののボンヤリしている。 法隆寺の四騎獅子狩紋錦についてのメモ書きをー。 これまでさんざん触れてきた歴史学者の三宅米吉が、私費留学から帰国した明治21年、文部官僚のトップだった九鬼隆一に従って、和歌山、奈良県で神社仏閣の宝…

続・ヘルマン邸のドイツ犬

ヘルマンばかりか当時アジアで暮らしていたドイツ人の多くが、ドイツ犬を飼っていたようだ。シーメンス事件が起きた大正3年(1914年)の夏、日本も第一次世界大戦に参戦。ドイツ、オーストリア、イタリアの三国同盟に宣戦布告した。 大戦勃発を機に英国…

六甲山麓のヘルマン邸とドイツ犬

友だちの歯科医に歯を治療をしてもらう。椅子が後ろに倒されると、腕が伸び縮みする照明機具が見える。機能的な無駄のないデザインの機器に前々から感心していた。 SIEMENSの文字。ドイツ・ミュンヘンの多国籍企業シーメンス製の医療機器らしい。 シ…

9つの目はネストリウス派のイエスか

モンゴル族の祭事用具「9つの目」の起源を想定すれば、常識的には、 1 シャマニズム 2 ラマ教 あたりに落ち着きそうだ。 上掲写真のトゥバのものは、9つの目が、紐で組んだような体裁になっている。まるで、モンゴルで愛好される紐による伝統模様「オルジ…

9つの目をもった不思議な祭事用具

1年がかりで部屋の整理をしているが、片付かない。 昔のモンゴル土産が出てきた。旅人のために、ゲル(テント)生活の遊牧民が、この木製の道具で、馬乳をかき混ぜ、空中に振りまいて、旅の安全を祈願するのだ―漠然とした記憶がよみがえった。 本物にしては…

マン島の尾なし猫は泳ぎも達者なミラーズキャットなのか

英国マン島の尾のない「マンクス猫」MANXのことが、あらためてBBCのHPで紹介されていた。 アイリッシュ海に浮かぶ島、マン島に尾のないものと、短い尾の2種類の猫が生息する。18世紀から島に尾なし猫が住んでいた記述があり、数百年の歴史がある。…

モンゴル草原の黄花梨の椅子

モンゴルの草原に、沢山の石人の文化財が残っている。 私は今まで、突厥時代の古い石人に目がいきがちだったが、もっと新しい時代の石人にがぜん興味が湧いてきたのだ。 というのも、石人の座ってる椅子が素晴らしいことを発見したからだ。 ① ② 曲線が美しい…

椿の蜜を吸いにくるメジロをカオドリと推定してみる

毎朝、鳥がやって来る。 椿の花の蜜をすいに、メジロ。 ペチュニアの葉を食べに、ヒヨドリ。 細は、「メジロと目があった。あわてて逃げていった」という。 このところ、僕は、道でよく、セグロセキレイにであう。舗装道路で、尾を上下に振っている。コンビ…

鉄条網で命を落とす厳冬の動物のこと

日本列島に寒波が襲来したが、大陸モンゴルでも、厳しい冬が来ている。何年かに一度家畜が大量に凍死する厳しい冬を、ゾドと呼んでいる、と昔教えられたが、今年もゾドになるのか気にかかる。 モンゴル・ニュースのwebサイトでは、雪の少ない土地で暮らす…

コービン党首の名無し猫

英国労働党の党首コービン氏がいったいどういう人物なのかはわからない。 ただ、彼の飼っている猫は、うちの猫と似ている。 白地に黒が混じった平凡な猫なのだが、WEBでコービン家の猫を見た細も「あれ、そっくり」と声を上げた。 きっかけは英国のテレグ…

訂正:正倉院の猫犬薬は猛毒ヤカツだった

正倉院の「猫犬薬」は、薬でなくて猛毒だった。 先に、昭和23年発行の「正倉院文化」の古本を読んで、正倉院に「烏薬(ウヤク)」が収蔵されている、という記述に出くわしたことにふれた。ウヤクは、江戸時代に犬猫の薬として用いられたとも。 気になって…

神田本郷の初詣から百穂の猫の歌まで

元旦は息子といつものように湯島聖堂に初詣に出かけた。聖堂(文京区湯島)から聖橋を渡ってニコライ堂に立ち寄り、イコンにローソクをささげて、水道橋から本郷三丁目に抜けた。 途中、カトリック神田教会聖堂、弓町本郷教会の前を通った。みな歴史的建造物…

英国のサル年生まれS氏とサル談義

英語の先生スチュワートさんを囲んで新年会。 十二支は英語でなんというのか、というメンバーの質問から、スチュワートさんの干支をたずねることになった。 「モンキーです」と即答。 年男であることが判明した。 「モンキーは大好き。母も、一緒に住む女性…

正倉院の犬猫用漢方薬

年末は、テレビで探偵ものをよく見た。 劇中、毒殺シーンがあったが、定番の青酸カリ、トリカブト、ジギタリス(刑事コロンボに多い)、ふぐ毒とは違った毒が出て来た。 「科捜研」は、イチイの木の種。イチイは薬だが、種にはタキシンという猛毒が含まれる…