2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夢二が捉えたテニスプレーヤー佐藤次郎の一コマ

錦織圭の英国での戦いが始まった。 錦織の活躍で、脚光をあびたのが戦前1932年全仏、全英でベスト4になった佐藤次郎だ。 画家の竹久夢二が、1933年夏、ドイツ・ベルリンで佐藤次郎を取材しているのを偶然知った。 復刊された「夢二外遊記―竹久夢二遺録」(1…

虎の陶枕、獅子の陶枕

猫の枕騒動のあと、「虎の枕」があることを知りちょっと調べてみた。虎の形をした陶器の枕で、東京国立博物館が所蔵し展示していた。「横河コレクション」のひとつだった。 中国の磁州窯のもので、寝そべった虎の背中が平らになっており、そこに人間の頭をの…

猫を枕と勘違いした話

錦織圭の活躍があって、全仏オープンテニスの深夜のTV中継に熱中している細は寝不足の日々を送っているが、猫が被害に遭った。やっと眠りについた細のそばに行き、脇でスヤスヤ眠っていたところ、寝ぼけた細が枕と間違え猫を引き寄せて、頭を載せてしまっ…

LPジャケットのブラジルの鳥たち

数週間前、日比谷のブラジル料理のオープンカフェで、友だちと軽く食事していたら、楽器をもちよったお客の男女が演奏をはじめた。 「ショーロ?」 ブラジルの大衆音楽ショーロを演奏する日本の若い人たちがいるのだ。 心がほぐれて、いい気分になった。 月…

大竹政直の絵にのこるキツネと火焔宝珠

江戸の稲荷信仰で、キツネと火焔宝珠について調べると、前に書いた幕末から明治初期の絵師、大竹政直の「江戸市中世渡り種」にいきあたった。 「江戸市中―」は、明治25年に、消えゆく江戸の名残りの商売を事細かにかきのこしたものだ。稲荷の縁日に出たと…

王子稲荷の火焔宝珠で思い出したこと

モンゴルをはじめて訪問したとき、ウランバートルの博物館の仏画に圧倒された。僕は、どうでもいいような細部に目が行ってしまうので、ほとんどの仏画に描かれている、丸っこい実のようなものが気になった。 「あれはなんですか?」 と、モンゴル人にきいた…