2014-01-01から1年間の記事一覧

西行が貰った銀の猫ってなんなのだろう

猫は、前足の関節を後ろに畳んで、香箱座り。 うちの猫は、香箱座りはもちろんするが、こんな風に左右に組んでいることがある。 何か考えているのだろうか。 猫と一緒に、またどうでもいいことをかんがえてみようか。 鎌倉時代の「銀の猫」をかんがえよう。 …

呉女はブータンがルーツと、魅力的な説

伎楽の再現に力をそそいだ野村万之丞さんは、伎楽面の呉女についても独自の見解をもっていた。NHKの番組取材で訪れたブータンで、野村さんは仮面劇ベーチャムと出あう。 チベット仏教のチャムよりも古いとされる民間芸能で、主人公はポ王とモ后という。 …

野村耕介さん演出の大田楽の夜

夜の野外劇で、最も印象にのこるもののひとつが、東京・日枝神社の「大田楽」。 シルクロードの仮面劇にいち早く手をつけた、狂言の故野村万之丞さんが、耕介という本名で構成、演出し、田楽踊りを現代流に再現する試みだった。 平成5年10月下旬の平日の…

仮面姿のナムスライとゴンゴル

表紙の写真は、モンゴルの毘沙門天。右の仮面が毘沙門天=ナムスライ(左は白大黒天=ゴンゴル、木村理子氏撮影) 仮面をかぶって野外でおこなわれるチベット仏教の密教修会「チャム」が、チベット仏教圏の国々の寺院で、次々と再興されているという。モンゴ…

ムカデと鉱山民俗学の本をとりよせたら

ムカデのおかげで、頭がこんがらがってきた。若尾五雄氏の「黄金と百足・鉱山民俗学への道」(人文書院、94年)をとりよせてよみだしたら、ムカデ資料が沢山でていて、収拾がつかなくなってしまった。 こういう時は、原点へもどるしかない。 ムカデを眷属と…

呉のムカデ橋との奇妙な一致

ムカデ話続き。 蜈蚣=ムカデ=が、呉公=ゴコウ=と表記されている日本最古のものは、古事記だろう。 大国主がスサノオから試練をうける場面。大国主は、蛇の部屋にとじこめられた後、 ムカデと蜂の室にいれられる。 ムカデの表記は、「呉公」。8世紀、「…

呉公にかまれた「奈良の夫人」と、呉公の舞

東京に単身赴任してきた後輩と茶飲話をしていたら、奈良・二上山の麓にすむ奥さんから、ムカデに目の辺りをかまれてはれあがったと、電話があったという。 いわく、奈良県には大きなムカデが生息していて、家の中にまで入ってくるのだそうだ。なにもしなけれ…

呉公とムカデにこだわって伎楽をしらべる

飛鳥、奈良時代に法隆寺や東大寺で披露された仮面劇「伎楽」。 呉公と酔胡従の面 詳しい内容はわからず、正倉院に当時の伎楽面がつたえられている。 うち、「呉公(ごこう)」の面には、岩群青=藍銅鉱などがぬられ、青あるいは緑の顔だった、と前にかいた。…

森田草平のネコ印鑑

この印は、猫ではないだろうか。 本の奥付にはられた著者検印で、猫を発見した。 夏目漱石の弟子、森田草平の著書「夏目漱石」(昭和17年、甲鳥書林)。 丸い目、そばだてた耳、立った尻尾。 これは猫だろう。 だが、前足が1本。 細の実家から引き取った…

琵琶湖から義満の笙へたどりついた

琵琶のことを少ししらべてみた。 そもそも公家社会の雅楽では、楽器にもヒエラルヒーがあって、弦楽器が管楽器より上であって、もっとも権威があったのが琵琶だった。 天皇は、雅楽で琵琶を演奏した。 雅楽の「楽琵琶」は、重くて、共鳴部分が狭いため、ほと…

猫に協力させて、なおも琵琶湖にこだわるわけ

我が家の猫に、琵琶湖のカッコウを真似てもらった。猫は下半身が太いので南東部がどうしても違って見える。 琵琶湖の大地震は1185年7月9日(新暦8月9日)に発生した。その3ヶ月前の3月24日(新暦4月25日)に壇ノ浦で平家が滅び、幼帝が海に沈…

M7.4地震の前の琵琶湖と猫

琵琶湖の形を猫と見るのは、若干無理があるのはわかるけれど、平安時代まではもっと猫らしかったのだ。 1185年に安曇川河口を震源に推定M7.4の大地震があった。安曇川は湖西の、猫の首の付け根あたり。京都では大伽藍・法勝寺の九重塔が崩れ、阿弥陀…

琵琶湖のアシ・ノートと猫の足

琵琶湖に生える芦=ヨシを材料にしたノートをつかっている。琵琶湖が好きだし、琵琶湖のヨシの活用は、水質浄化や水鳥、魚の生態系保全につながるらしいので、注文したのだ。 REEDEN。REーEDEN、楽園再生という名前がついている。つかってみた感…

勇敢メス猫と「風とともに去りぬ」

飼い主の少年を守るため、犬を撃退した米国の雌猫TARAの話題で、我が家もひとしきり。 うちの猫と比較して、「無理だろうなあ」と猫の顔をみつめると、しってか、「ニャア」とうなづくようになく。 TARAという名なので、どうしても映画「風とともに…

憂歌兄弟、熊谷守一、兎狩りのいい一日

真夏日の日曜日、日比谷野外音楽堂に久しぶりにでかけた。憂歌団の野外公演。京都から友達も合流して、並んで聴いた。え、なんで、超満員なの。30代と思われる女性も沢山来ていて、ゆず(岩沢康治)も客席にいるではないか。 「おそうじオバチャン」は40…

ウズラに夢中、おバカな大名と遊女

ベートーベンが交響曲「田園」で、3つの鳥の鳴き声を再現したことは、前に書いた。 楽聖の耳にかなって選ばれたのは、「サヨナキドリ」と「カッコウ」と「ウズラ」。ウズラは、ちょっと意外だが、ヨーロッパウズラと鳴き声は違うものの、日本でもウズラの鳴…

江戸時代、蔵前のトイレの前で眠る猫

トイレの前で猫眠る。 宮尾しげを「笑話文学江戸小咄全集1」(昭和25年)をめくっていると、こんな挿絵があった。 全体では、こんな感じ。 2人の侍が公衆トイレで座っている。その前で、猫が丸くなって眠っているのだ。 どうしてまた、こんな所で寝るの…

モリヤさんの素晴らしいカワセミ写真

近所の小川で見つけたカワセミの後日譚。 スチュワート氏の情報では、モリヤさんが最近、あの小川でカワセミの写真を撮影したとのこと。早速モリヤさんが中心となっている写真サークルの発表を見に行くと、ホバリングするカワセミの最新ショットが展示されて…

猫の展覧会で漱石の猫を見る

松濤美術館「ねこ・猫・ネコ」展を見に行った。猫の絵や彫刻を集めた美術展、猫好き大集合の賑わいだ。 石井鶴三の「猫」の彫刻は、怒りを全身に発散させていて微笑ましいし、岡本一平「漱石先生」の猫は、前脚を伸ばした漫画のような仕草が面白い。 漱石自…

カワセミを見て犬を思い浮かべる感覚

モンゴルのカワセミ。 モンゴルの青少年百科事典に描かれたカワセミ モンゴルでは、カワセミは、「犬」に関連付けて命名されている。HOXOЙ ΓAΛУУ(ノホイ ガロー)=犬の雁、犬のガチョウ、とか、HOXOЙ ШOΓШИΓ(ノホイ ショグシグ)=犬のショグシ…

妙技を見ずにカワセミを見たとは言えないか

土曜日の明け方に、近くの小川を散歩した。通勤電車の窓から、サギを見かけるので、近くで見ようと思った。小川に沿って、約1時間往復する。カルガモ、ツバメ、ムクドリ。驚いて飛び立つカルガモは、ちょっと気の毒だったが、飛び方はドンくさい。運動不足…

大作家が少女に見立てた野鳥とは

作家の志賀直哉が、犬が好きなことは小説を読んでうかがわれるが、野鳥に対しても同様だったようだ。 細の実家に、整理する本を貰い受けに出かけると、志賀直哉の小説があった。我孫子在住のころに書かれた「矢島柳堂」をさらりと読んでみたら、モズやバンな…

伝法院庭園でアオサギに迎えられる

浅草の伝法院庭園が公開されているので、細と出かけてみた。外国人観光客であふれかえる浅草の人通りをかき分けてたどり着き、大きな絵馬を鑑賞してから、回遊式庭園に出ると、池に羽を広げながらアオサギが降り立った。 隅田川に沿って飛んできて、緑と水を…

ワシントンDCのミサゴ、山形のミサゴ

ワシントンポストのWEB版に、昨秋ワシントンDCから発信機をつけて飛び立った雄のミサゴ(名はロドニー)が、4月11日に冬営地のベネズエラから戻った、という記事が掲載されていた。 3月24日にベネズエラを出発、2週間で4700キロの旅をしたこと…

奈良県産サファイアと当麻蹴速

初めて行ったミネラルショーでは、日本産のサファイアも手に入れた。サファイアといっても、小さな粒。 奈良県西部、二上山の麓、穴虫の竹田川で採集したものだというので、がぜん興味がわいたのだ。万葉集にも登場するニ上山は神秘的で、筑波山のように、雄…

「都忘れ」と、忘れていた「岩群青」

滝落ちて群青世界とどろけり 秋櫻子 いけない、奈良時代には「岩群青」というれっきとした青色の顔料が存在した。藍銅鉱といわれ、孔雀石と一緒に発掘されることが多い。 アズライト 藍銅鉱 岩群青 マラカイト 孔雀石 岩緑青 藍銅鉱は、青いのでブルー・マラ…

孔雀石を見て閃いた日本の「青」のこと

日本の色のことを調べてみて、鉱物の知識の欠如を痛感した。 細を、だましだまし連れ出して、先の休みに、鉱物の展示販売会へ足を運んだ。「ミネラルショー」という催しだった。ちょっとした石ブームなのだろうか、意外に賑わっていて、積極的な女性客が多か…

青い鳥が呼んだ運河のルリビタキ

知人の奥さんから、自作のプリザーブドフラワーを分けてもらい仕事場の卓に飾っている。バラの横っちょで埋もれたような青い鳥がかわいい。 PRESERVED FLOWERは、生花に特殊加工したもので、本物の花びらなのだという。気に入っているが、来…

スミレが天狗の名を持つわけは

わが家に幾種類かのスミレが咲いた。洗面台の小瓶に活けてあって、気づいた。 ずいぶん前、スミレのことを「太郎坊」と呼ぶのを、幸田露伴の小説「太郎坊」で知った。天狗好きの私は、太郎坊といえば、京都・愛宕山の天狗。次郎坊というと京都・比良山の天狗…

猫の名がついた日本鴎が心配

ウミネコが北陸で大量死している、とニュースで報じられた。 238羽。鳥インフルエンザの簡易調査では陰性という。 ウミネコは、世界で主に2通りの呼び方があるようだ。 1)黒い尾のカモメ 2)日本のカモメ ABIBASEによると、 1)の黒カモメ派…