2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

台湾の天狗の版画を写した立石鉄臣さんのこと

台湾を初めて尋ねた時、台湾生まれの日本人画家、立石鉄臣さんの存在を知った。立石さんらと植民地台湾で青春時代を送った考古学者、宋文薫さんの文章でだった。 宋さんが、立石夫人の肖像画を大事に台北大学の研究室に飾っている話を「雄獅美術」に寄稿した…

羽白熊鷲をオオワシに「比定」してみた

記紀には、猛禽の名をもった人物がほかにも登場する。日本書紀の巻9。神功皇后が筑紫を「平定」する話の中に、羽白熊鷲が出てくる。 「荷持田村(のとりたのふれ)に羽白熊鷲という者があり、その人となりは強健で、翼がありより高く飛ぶことができる。皇命…

古事記のオオタカは、シロハヤブサだったという仮説

前の事だが、南京博物院名宝展が東京でも開かれ、明代の画家殷偕の「鷹撃天鵞図」が展示された。 天鵞は白鳥。鷹が白鳥を撃つ瞬間を捉えた迫力ある画だ。カタログの解説には、 「天鵞(白鳥)を襲う鹞鷹(はいたか)の図」と記されていた。南京博物院の判断…

ツルとシロハヤブサにこだわるわけ

鷹狩りについて調べてゆくと、どうしても、フレデリック2世の書いた大著「De arte venandi cum avibus」(鷹狩りの技術)を無視できないことが判った。 2分冊の英語訳が出ているので、上巻から取り寄せて読み出した。 13世紀の神…

高野長英が持っていた英国カップ

埼玉・大宮の在に土呂という処があって、旧家に高野長英から贈られたと伝わる英国の陶器が残っている。 「見沼の風-大和田だより」というHPで知った。 http://keyakihiroba.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_8d96.html 長英は幕末の日本の、何処でこの…

シロハヤブサに、やっとたどり着いた

昼休みに国際展示場のブックフェアを覗いて、バーゲンコーナーで重い「Audubon birds」(JG press)を買って帰った。 J・J Audubonの、全米の鳥のイラスト選集で、見事な鷹の画が載っている。特に美しいのが、シロハヤブサ gy…

アラブの鷹犬サルーキと、隼人の鷹犬のことなど

「狸ビール」という伊藤礼さんの本は、僕が最も好きな本の10冊に入る。猟というものをユーモラスに描いていて、僕が知りたかった人と猟犬の関係や、人と犬の心のやり取りが伺えるからだ。 日本がまだ豊かな自然の残っていた頃の、野山を舞台にした人と犬の共…

古代日本、ヨコシマだったのは左か右か

「横」という言葉は、縦横の横だけでなく、古代の日本語では「ノーマルでない」という否定的な意味を持っていたーホント? と思える説を、言語学者の村山七郎氏が唱えていた。 街の青空古本市で250円で売られていた「日本語の起源」(村山七郎・大林太良共著…